はじめに

 変わる君は、iPad/iPhoneをスイッチで操作する時に必要となる、有線タイプのスイッチ接続デバイスです。初めてスイッチコントロールを使うなら、これが一番活用できるデバイスです。
 オフィス結アジアで販売している「スイッチ有線接続キット」は、変わる君を使用しています。
 


変わる君とは?

 株式会社ビット・トレード・ワンの製品で、高い耐久性を持つ工業用フットスイッチや楽器演奏などで使用されている滑らかなフットスイッチなどをパソコンで使用するためのインタフェース変換装置です。3.5mmミニピンジャックを持つスイッチを接続する口を2つ持ち、反対側は標準のUSB(USB 2.0 Type A)接続口になっています。
 ゲームをする人がキーボードで操作する時に、例えば、Ctrl+Fを3回押した後にShiftキーを押しながらDを7回、といったような複雑な操作をスイッチを押すという1つ動作で行うことができるようにと考えられたものです。
 コミュニケーション機器として使うスイッチ類も、同じ3.5mmのピンジャックを使っていますので、変わる君があれば、iPad, mac, Windowsにスイッチを接続して使うことができます。
 弊社では、iPad/iPhoneで使用するために必要な「USB-Lightningカメラアダプタ」をセットし、変わる君の初期設定をiOS用にした上で「スイッチ有線接続キット」として販売しています。


ファームウェアのバージョン

2019年3月8日以降に弊社を出荷した分からは、ファームウェアをバージョン 1.0.1i にしてあります。(2019年3月8日以降の出荷分) このファームウェアはiOS専用になっており、変わる君のユーティリティでゲームコントローラとマウスを設定しても動作しません。)なお、2019年3月8日以前に弊社を出荷した分は、ファームウェアはバージョン 1.2.2 です。iOSでの利用に問題はありませんが、今後の互換性を考え、iOS専用のバージョンにしました。
2つのジャックに、「1」と「2」を割り当ててあります。これによって、スイッチをジャックに接続するとスイッチを押下することで「1」「2」の信号がそれぞれiPhone/iPadに送信されることになります。
 ※ファームウェアのアップデートは、メーカーのホームページに手順が記載されています。
 弊社から有線接続キットとしてご購入いただいた場合は、変わる君をお送りいただければ最新のファームウェアにアップデートしてお送りします。(往復の送料と事務手数料1,080円をご負担ください。お申し込みは info@yubidenwa.jp までご連絡ください。)

 ※ファームウェアが1.0ではiPadに接続してスイッチコントロールを使用する設定ができません。1.2.1までは2つのジャックにボタン入力とパターン入力をそれぞれ割り当てて使うことができません(両方同じ入力方式なら問題ありません)。いずれの場合も、ファームウェアのアップデートで1.2.2にすることができます。


変わる君の仕組み

変わる君の設定は、次の3つの組み合わせです。
 1)スイッチ接続のジャックがどちらかを選ぶ
 2)動作するマクロの内容を設定する
 3)ボタン入力かパターン入力かを指定する

スイッチを接続するジャックは2つあります。USB接続を上にして変わる君のランプやスイッチが表面に見えるようにして置いた場合、ジャックの右側が1、左側が2となります。

マクロとは、キーボードのキー操作の内容です。
単に数字の1キーを1回押すというマクロでも良いですし、abcと押して5秒経ったらdefと押すというマクロでも良いです。

「ボタン入力」は、接続されたスイッチを1回押すことで選択されているマクロが実行される設定です。「パターン入力」は、6つまでの短押しと長押しの組み合わせのスイッチ操作でマクロが実行される設定です。組み合わせは最大64個まで設定できます。

パターン入力は長短の組み合わせですが、例えばスイッチを2回押した場合、短押し2回という1つの入力なのか、短押し1回という1つの入力が2回繰り返されたのか、その違いを見極めなくてはなりません。それは時間設定で行います。1回のスイッチ入力を認識する長さを設定します。


マクロの実行について

 スイッチを押した時の変わる君の動作には、1)ボタン入力、2)パターン入力の2つの入力モードがあります。
 ボタン入力では、接続したスイッチを押した時に、あらかじめ設定しておいたマクロを動かします。押すと同時にマクロが実行されますので、操作にタイムラグがなく快適です。
 パターン入力は、ボタンの押し方(パターン)に応じて実行するマクロを割り当てておく方法です。ボタンの押し方には、短押しと長押しがあります。これを6つまで組み合わせて指定することができます(計126通り)。例えば、短押し1回は数字の1、短押し2回は数字の2、長押し2回で短押し1回は英字のAというように、モールス信号を送るような設定です。

この動画では、スイッチを押すと変わる君が「めくってタップ」を実行します。スイッチコントロールは使用していません。絵本の読み聞かせに最適な設定です。スイッチコントロールを使用した場合、同じ動作をレシピを使って実現することができます。しかし、スイッチコントロールを使用することが時に操作を難しくしてしまうことがあります。介助者の設定準備がわからず使えないでいるといったことがあります。そういう場合には、このように設定した変わる君を使用して、スイッチコントロールなしで操作する方が楽で安心です。


変わる君の設定をカスタマイズする

 通常の設定は、2つのスイッチ接続ジャックに対して、それぞれ「1」キー、「2」キーを割り当てています。この内容を変更したり、1つのキーで複数のアクションを指定したり、1つのスイッチで複数の入力方法を使ったり(パターン入力)するために設定のカスタマイズをすることができます。

 上の映像では、指伝話メモリで絵カードを4枚表示して、スイッチを1〜4回押す回数に応じた絵カードをタップさせるようにしました。スイッチコントロールは使用していません。

設定の変更
メーカーのサイトからユーティリティアプリ(Windows版)をダウンロードして設定を変更することができますが、弊社からお求めの有線接続キットをお使いの場合は、変更内容をご相談いただければ弊社にて書き換えを行います。(往復の送料と事務手数料1,080円をご負担ください。お申し込みは info@yubidenwa.jp までご連絡ください。)


マクロを設定する

マクロ設定とは?
 オフィス結アジアが設定して出荷している変わる君は、iOSのスイッチコントロールですぐに使えるように、ジャック1は「1」キー、ジャック2は「2」キーを対応させた設定にしています。
 つまり、ジャック1につけたスイッチを押すと、iOSは「1」キーが押されたと認識されます。スイッチコントロールではそのキーに対してアクションを割り当てることになります。スイッチコントロールを使用していない状態では、外付けのキーボードで「1」を押したことと同じ動作となります。
 スイッチを押した時の動作の設定を定義するものをマクロと呼びます。

割り当てるのは1つのキーだけではない
 変わる君では、1つのジャック(つまりスイッチ)に対して1つのキーを割り当てるだけではなく、例えば「Ctrl+Shift+C」という複合のキーを割り当てたり、『「→」キーを押して少し待ってから「1」キーを押す』といった設定をすることができます。
 これにより、スイッチコントロールを使わなくても、スイッチ1つで「絵本をめくって、読み上げる」といった2つの動作を行うこともできるようになります。


 ここでは、次の動作を行うマクロを設定しました。

  • →キーを押して
  • 少し待って
  • 1キーを押す

 指伝話メモリのカードでは、「→」キーは次のページへの移動のショートカットキーです。「1」キーは1番目のカードをタップするショートカットキーです。つまりこのマクロは「カードをめくってタップする」ためのものです。
 このマクロを使う時は、スイッチコントロールを使わないキー操作でよいので、スイッチコントロールの設定をせずとも、スイッチを押せばすぐ使えるというメリットがあります。

 「ボタン設定」のタブで、ボタン1に対して先ほど作成したマクロを割り当てます。実行マクロをポップアップから選択し、「設定」ボタンを押します。
 「マクロ実行中の入力後の動作」とは、マクロ実行中にボタンが押された時の動作を指定するものです。ここでは「マクロ非実行」に設定しておきます。


パターン入力について

パターン入力とは?
スイッチの短押しと長押しの組み合わせで、1回の操作とする入力方式です。モールス信号と同じ感じと思ってください。
例えば、
短押し1回 = 次の項目に移動
短押し2回 = 項目を選択
長押し2回 = ホーム画面に移動
長押し1回短押し1回 = 音量を下げる
長押し1回短押し2回 = 音量を下げる
というようなスイッチコントロールの設定ができるようになります。通常のiOSの1スイッチ操作では、短押しと長押しの2種類の動作しか設定ができませんが、変わる君のパターン入力を使えば、1スイッチでも複数種類の入力方法を設定することができます。長短の組み合わせを6つまでで作り、最大64種類の登録が可能です。
 また、スイッチコントロールを使わない場合でも、パターンの組み合わせに対してキーを送ることができるので、ショートカットキーで操作できるアプリであれば、スイッチコントロールを使わずとも操作ができる点が魅力です。ちなみに、指伝話メモリはカードのタップとページめくりをショートカットキーで操作できるようになっていますので、短押しと長押しの組み合わせ設定でカード操作が可能です。

 「入力パターン設定」のタブを選び、パターンの設定をして、それに対応して実行するマクロを結びつけます。入力パターンは、最大6つの短押しと長押しの組み合わせです。

 「ボタン設定」のタブを選択し、動作の設定をします。この画面では、ボタン1(ジャック1) を「ボタン入力」にし、実行マクロは先に設定しておいた「めくってタップ」を選択しました。
 ボタン2は「パターン入力」を指定しています。先に設定したパターンでの入力が可能になります。
 なお、2つのジャックにそれぞれスイッチを接続し、片方はボタン入力、もう一方はパターン入力に設定するのは、変わる君のファームウェア1.2.2からできるようになりました。

パターン入力で注意すること
 パターン入力の場合、スイッチを続けて2回押した場合、それが「短押し1回の入力が2回された」のか「短押し2回の入力が1回された」のかは、設定によって決まります。
 設定アプリの「ボタン設定」のタブにある「時間設定」の値が400msの場合、ボタンが押されていた時間が800ms未満で短押し、800ms以上で長押しと判定されます。ボタンが押されていない時間が800ms経過でパターン入力終了と判断されます。
 つまり、1回の入力の完結には最低限800msがかかります。ですので、ボタン入力設定とは異なりスイッチを押したら即時反応をするということではなくなります。パターン入力を使用する場合は、その点を考えてどちらが使いやすいか、また、時間はどのように設定するのが使う方に適しているかを考慮することも大切です。