(2020年1月版)


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はじめに

 iPadとiPhoneおよびiPod touchは、同じiOSで動いていて、スイッチコントロールなどの設定も同じものです。(iOS 13からはiPhoneはiOS、iPadはiPadOSと分かれましたが、基本的な考え方や設定は同じです。)
 説明文中、iPadと記載していますが、同じ機能がiPhoneやiPod touchでも使えます。


スイッチについて

 意思伝達装置で使われている各種スイッチ類で、3.5mmミニピンプラグの接続プラグを持っているものは、ほぼiPadのスイッチ操作にお使いいただくことができます。
 スイッチには、押しボタン式、空圧式、ピエゾ(圧電素子)式、筋電式など、さまざまなタイプがあり、身体の動きに合わせたものを選んでください。

 例えば、机の上に並べてあるボタンを押すのは難しい場合でも、紐を引っ張るスイッチ、手に持った棒状のものをぎゅっと握ったり触れたりするスイッチがあります。ウインクをしたり目を開いておでこにシワを寄せるような動作をスイッチとするものもあります。指先が2mmほど動く力をスイッチにすることもできます。
 また、同じスイッチでも設置の仕方によって使い勝手が変わります。例えばボタン式のスイッチでは、机に置いて手を動かして押す、腕を台に乗せて指先を動かして押す、スイッチを反対に向けて手の上に設置して手の甲で押すなど、使い方はさまざまです。

iPadのキーボードもスイッチに

 iPadにつけて使うキーボードは、スイッチとして使うことができます。キーボードはたくさんのスイッチがまとまってついているようなもので、キーの1つ1つにアクションを割り当てることができます。

スイッチのiPadへの接続方法

 3.5mmミニピンプラグのスイッチは、そのままiPadに接続することはできません。接続は、無線(Bluetooth)または有線のスイッチ接続アダプタを介して行います。各社からそのための製品が発売されています。
 なお、Bluetooth接続のキーボードであればそのまま接続できますし、USBキーボードなら、純正の接続のための接続口変換アダプタを使って接続できます。

有線接続と無線接続とどちらを選ぶべきか?

 有線接続の良さは、繋がりやすいことです。Bluetoothも手順を踏んで操作すれば接続できるのですが、接続できなかった場合に扱いがわからなくなり使用を諦めてしまいがちです。介助者がこういう機器に苦手意識があっても、有線は接続すれば使えるのが良い点です。
 無線接続の良さは、ケーブルがすっきりすることです。ケーブルがない分、スイッチの位置決めが自由になりますし、ケーブルを抜き挿しする必要が少ない分、接続口の劣化を防げます。
 どちらか一方だけを使うのではなく、両方準備しておくのがベストです。何かのトラブルがあって使えなくなった時に、別な方法があれば、使えないという最悪の事態を回避することができます。

スイッチによるiPadの操作方法

 iPadは、スイッチ接続をした場合、スイッチコントロールという標準機能を使って操作することが想定されています。スイッチから送られる信号に応じたアクション(動作)を決め、1つまたは複数のスイッチを使って操作します。スイッチコントロールの設定方法については、「指伝話を使って覚えるiOS/iPadOSスイッチコントロール 1-2-3! 基礎編」をご参照ください。
 スイッチコントロールは非常に細かい設定が可能です。指でタップして使うほぼすべての機能を、スイッチ1つで行うことができます。
 一方で、スイッチコントロールを使わないで操作できるアプリもあります。iPadに接続したスイッチは、iPad側は外部接続されたキーボードのように扱われます。そのキーがアプリに対応したものであれば、スイッチコントロールを使わずにキー操作だけでアプリを使うことができます。
 指伝話文字盤や指伝話メモリは、スイッチコントロールでも使えますが、スイッチコントロールを使わない操作も想定されてデザインされたアプリです。スイッチコントロールを使わない場合は、複雑な設定に迷うことなくシンプルに設定し使えることが好まれています。

ご紹介する接続方法

 スイッチを接続する様々な製品は、各社から発売されています。この説明書では、次の2つの製品の特長、使い方をご紹介します。

 1)スイッチ有線接続キット:変わる君+接続アダプタ
 2)スイッチ有線・無線接続キット:変わる君+接続アダプタ+USB2BT Plus


スイッチ有線接続キット

製品の構成

スイッチ有線接続キットは、 [変わる君] と [Appleの接続アダプタ] から構成されています。

 スイッチ有線接続キットは、 [変わる君] と [Appleの接続アダプタ] から構成されています。
 [変わる君] は、ビット・トレード・ワン社の製品で、直径3.5mmミニジャック2個を搭載し、市販の頑強な工業用フットスイッチや音楽用フットスイッチなど多様な外部スイッチ(入力装置)を最大2台まで接続し低遅延でPCでのボタン入力やマクロ発動などを行うことができるインターフェース変換装置です。PCで使うことを想定して開発されたのでUSB Type Aの接続口ですが、[Appleの接続アダプタ] を使いiPadに接続します。
 [変わる君] 自体は、キーボード、ジョイスティック、十字キー、ゲームパッドボタン、マウスボタン、マウスホイールのPCでの操作を接続したスイッチで行う機能がありますが、弊社から出荷する [変わる君] は、iOSとの接続用にファームウェアを書き換えて、キーボードの機能のみ有効となる設定にしています。

 iPadの接続口は機種によって、Lightning と USB-C があります。接続アダプタには、電源ケーブルを接続できるものとできないものがありますので、合計4種類のアダプタから適したものを選択していただくことになります。

製品の特長

1)有線接続なので、Bluetoothの設定が不要で、取り扱いが簡単です。

2)[変わる君] の設定により、スイッチ操作に対して複数のキー操作を割り当てたり、短押しと長押しの組み合わせで異なるキー操作を割り当てることができます。

3)iPadの接続口 Lightning, USB-C を選択することができます。

製品の名称と役割

 変わる君には、スイッチを接続するジャックが2つあります。それぞれのジャックのテスト用スイッチがあり、スイッチを接続しなくてもテスト用ボタンを押して動作確認をすることができます。
 USB接続口は、USB Type Aです。ここに変換アダプタをつけiPadに接続します。

変わる君の設定

 変わる君の設定は、次の3つの組み合わせです。
 1)スイッチ接続のジャックがどちらかを選ぶ
 2)動作するマクロの内容を設定する
 3)ボタン入力かパターン入力かを指定する
 スイッチを接続するジャックは2つあります。USB接続を上にして変わる君のランプやスイッチが表面に見えるようにして置いた場合、ジャックの右側が1、左側が2となります。
 マクロとは、キーボードのキー操作の内容です。単に数字の1キーを1回押すというマクロでも良いですし、「abcと押して5秒経ったらdefと押す」という操作もマクロにすることができます。マクロは120種類の設定が可能です。
 「ボタン入力」は、接続されたスイッチを1回押すことで選択されているマクロが実行される設定です。「パターン入力」は、6つまでの短押しと長押しの組み合わせのスイッチ操作でマクロが実行される設定です。論理的には126通りの組み合わせがありますが、設定できるのは64パターンです。
 パターン入力は長短の組み合わせですが、例えばスイッチを2回押した場合、「短押し2回という1つの入力」なのか、「短押し1回という1つの入力が2回繰り返された」のか、その違いを見極めなくてはなりません。それは時間設定で行います。1回のスイッチ入力を認識する長さを設定します。
 変わる君の設定は、用途に適した設定にする必要があります。
 ジャックに対してボタン入力またはパターン入力を割り当てる設定、マクロの内容の設定、パターンとマクロの対応設定は、メーカー提供のWindows上のユーティリティソフトで行うことができます。
 詳しくは、「指伝話を使って覚えるiOS/iPadOSスイッチコントロール わかる変わる君編」をご参照ください。


スイッチ有線無線接続キット

製品の構成

 スイッチ有線・無線接続キットは、スイッチ有線接続キットと [USB2BT Plus] で構成されています。
 [USB2BT Plus] は、ビット・トレード・ワン社の製品で、USB HIDデバイスをBluetoothに変換し、iPadやパソコンを操作可能とする変換アダプタです。3台までの接続先を切り替えて使うことができます。
 [Appleの接続アダプタ] と [変わる君] の組み合わせが有線接続、[USB2BT Plus] と [変わる君] の組み合わせが無線接続となって、スイッチをiPadで使用できるようになります。
 弊社では、無線での接続を行う方は、有線接続の環境も一緒に持っていることをお勧めすべく、スイッチ有線・無線接続キットとして、両方の環境をセットにした商品構成としています。
 スイッチ有線接続キットを既にお持ちの方は、 [USB2BT Plus] を追加購入していただければ、全体でスイッチ有線・無線接続キットとなります。
 [USB2BT Plus] と [変わる君] との組み合わせにより、[USB2BT Plus] の接続先の切り替えを、 [変わる君] に接続したスイッチのパターン入力操作で行うことが可能です。

製品の特長

1)Bluetoothの接続先は3つまで設定し、本体上のスイッチで切り替えて使用できます。
2)[変わる君] の設定により、キー操作でBluetoothの接続先を切り替えることができます。
3)有線と無線の接続先を持つことができます。

製品の名称と役割

 [USB2BT Plus] は、USB Micro Bコネクタでの電源接続が必要です。ACアダプタへの接続の他、携帯電話用のモバイルバッテリーの使用も可能です。
 デバイス切り替えボタンで接続先を選択します。接続機器とのペアリングは、ペアリングボタンを3秒押し続けてください。
 USB接続口には、 [変わる君] を接続します。短い延長ケーブルを使うと本体の位置が安定しやすいです。
 ステータスLEDの色で機器の状態をお知らせします。

ステータスLEDの説明

ステータスLEDの説明

LEDの状態 機器の状態
消灯 未接続
接続中
接続済
赤点滅 入力デバイス交換(再ペアリングしてください)
青点滅 ペアリング中
赤青交互に点滅 USB電源またはUSB2BT Plusハードウエアエラー

 

接続方法

1)[USB2BT Plus] に [変わる君] を接続します。

2)[USB2BT Plus] の電源を接続します。

3)[USB2BT Plus] 本体の機器を接続するボタン(3つのうちのいずれか)を押します。
ステータスLEDは赤で点滅します。

4)ペアリングボタンを長押しします。
ステータスボタンは青で点滅します。

5)接続する機器のBluetoothの設定画面を開きます。
 iPadの場合、 [設定] アプリ > Bluetooth


6)デバイス一覧に [USB2BT:xxxxxxxx] が表示されたら選択します。

7)「接続済み」になれば接続完了です。

スイッチからの接続デバイスの切り替え方法

 [変わる君] にスイッチを接続したジャックに [パターン入力] が割り当てられている場合、3つのデバイスへの接続切り替えは、次のパターン入力で行うことができます。(パターンは別途自由に設定し直すことができます。)
  接続先1: 長短
  接続先2: 長短短
  接続先3: 長短短短
 パターンの割り当ての変更、それにより送信されるキーの変更は [変わる君] 、接続先デバイスの切り替えを行うキーの変更は [USB2BT Plus] のメーカー(ビット・トレード・ワン社)から提供されるそれぞれの専用ユーティリティプログラム(Windows上で動作)で行うことができます。詳しくは、弊社までご相談ください。

スイッチ有線接続キットをお使いの方へ

 既に [スイッチ有線接続キット] をお使いの方が、追加で [USB2BT Plus] をご購入になり、無線接続でお使いになる場合、[変わる君] の出荷時期によって、ファームウェアの書き換えが必要になります。変わる君本体に書かれているシリアル番号を弊社にお知らせいただければ確認を致します。
 また、スイッチ操作での接続先の切り替えは、[変わる君] の設定をパターン入力にしたジャックに接続したスイッチから行うことになります。標準では [変わる君] の2つのジャックは、ボタン入力に設定されています。パターン入力をご利用になる場合は、[変わる君] の書き換えが必要となります。弊社までご連絡ください。