(2019年3月版)


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【はじめに】

この説明書では、iPad/iPhoneとスイッチを接続した後、スイッチコントロールの基本的な設定や操作方法について説明をします。

iPad/iPhoneとスイッチとの物理的な接続に関しては「iOSスイッチコントロール 1-2-3! 接続編」をご参照ください。

スイッチによるiOSの操作は、単に設定だけの問題ではなく次の要因が大きく影響します。

1)身体の状態に合わせたスイッチの選択
2)スイッチコントロールの設定
3)使用するアプリ
4)アプリのコンテンツ

特にスイッチコントロールの設定は、たった一つの設定の変更で使い勝手が大きく変わることがあります。それだけ身体の状態に合わせたカスタマイズ設定ができるという意味です。

設定の詳細をすべて知ることが先だと思わず、使っている上で「もっと便利にならないかな?」と思ったらきっと方法があると考えて、それから調べるというのでも良いと思います。

一つの設定だけでなく複数の設定によって使い勝手がより良くなることもあります。気に入った設定を育てていくのも一つの楽しみと考え、トライしてみてください。

この説明書をひとしきり読みながら試していただくと、スイッチコントロールの基本的な仕組みがわかると思います。また、基礎的な部分の共通理解として、ここでの説明を理解していただくと、その後の説明と理解が早くできるようになります。既にスイッチコントロールを使われたことがある方も、是非一度初心に戻って、この説明書で情報を共有してみてください。

読み進める中で、「そこのところはちょっと思っていたのと違うんだよなぁ」と感じるところがあるかもしれません。それでも最後まで流れに沿って動作を確認してみてください。

その上で、気になったところをどのように改善していくか、一緒に考えていきたいと思います。

 


【説明について】

この説明書では、よく使う次の動作の説明は省略して表記します。

スイッチコントロールの設定 

[設定] アプリ > [一般] > [アクセシビリティ] > [スイッチコントロール] のところで設定を行います。

スイッチコントロールのオン・オフ

この説明書の最初のところにあるように、スイッチコントロールのオン・オフは設定画面で行いますが、ショートカットを使ってキー操作で行うことができます。また、iOS 12からはコントロールセンターから行うことができるようになりました。

その他注意

スイッチコントロールの設定を変更する場合は、スイッチコントロールを一旦オフにしてから設定を変更するようにしてください。

通常は、設定を変更すれば効果が即時有効になるのですが、稀に、一旦設定が保存されてからということもあります。それはバグでマイナーアップデートで修正されるものかもしれませんが、設定に関するこの説明書では、スイッチコントロールをオフの状態で設定して、オンにして動作確認をしています。

ご自身ですべてをスイッチコントロールで操作されている場合、スイッチコントロールをオフにすることで操作ができなくなってしまうので、この確認は難しいことだと思います。基本的にはスイッチコントロールを使用しながら設定変更をすることで問題ないのですが、万が一思ったように動作しない場合には、誰かに頼んで一度スイッチコントロールをオフにして再びオンにすることを試みる、ということをお願いします。

スイッチとiPadの接続

スイッチとiPad本体とは、直接ケーブル接続することができません。有線または無線で接続します。その方法に関しては「指伝話を使いながら覚える iOSスイッチコントロール 1-2-3! 接続編」をご参照ください。

 


【説明で使用するアプリについて】

この説明書の中では、指伝話RT を使って説明をしています。ダウンロードをして一緒に試しながら説明をご覧ください。

指伝話RTは、AppStoreで「指伝話RT」で検索して無料でダウンロードすることができます。

スイッチでiPadが操作できると聞くと、すぐに「LINEをしたい」「メールを送りたい」「インターネットで検索したい」という答えが返ってきます。もちろんそれは可能ですが、いずれも文字入力が必要なものです。ソフトキーボードを使ってスイッチ操作で文字を入力するのは、スイッチ操作の中でも慣れるまでは難しく感じる部分です。いきなりその難しいことにチャレンジをして、うまくいかないなぁと思うよりも、実用的でありながら操作が簡単な指伝話メモリの絵カードを使うことを是非試してみてください。画面上のカードを選択すると流暢な音声で話します。シンプルですが操作がわかりやすい上に、拡張性の高さからその後に便利に使う様子を想像しやすいので、最初の一歩を進めるために適したアプリです。

指伝話メモリと指伝話RTは、カードタイプのコミュニケーションアプリです。絵や写真をタップすると流暢な合成音声で話しをするアプリです。画面の細かい部分を選択するのではなく、1画面に4枚や9枚表示されている中から1枚を選んでタップする操作ですから、ほとんど失敗なくすぐに使えるようになります。

指伝話メモリ はiPadでのみ動作し、カードの編集を行うことができる有料のアプリ(19,800円)です。さまざまなサンプルをウェブからダウンロードして、中身を自分で変えて使うことができます。

  指伝話RT は、指伝話メモリで作成されたカードのサンプルをiPad/iPhone上で無料で試すことができるアプリです。カードの編集はできませんが、会話用のカード、教育教材、ゲーム、多言語、スマートスピーカーへの話しかけなど、さまざまなサンプルをお試しいただくことができます。

YMプレーヤーという有料のアプリ(2,000円)もあります。iPad/iPhoneで使うことができ、カードの編集はできませんが、指伝話メモリで作成したカードを読み込んで使用することができます。指伝話RTはサンプルとして用意された内容のものしか試すことができませんが、YMプレーヤーであれば、誰か他の人が指伝話メモリで作ったカードセットをもらってきて使用することができます。

指伝話メモリ 1.2から追加された機能を活用すると、単にカードを選んで音声で用事を伝えるだけでなく、メッセージを送ったり音楽を聴いたりといったことも可能になります。 

 


【ショートカットの設定】

スイッチコントロールのオン・オフは設定画面で行いますが、ショートカットを使ってキー操作で行うことができます。また、iOS 12からはコントロールセンターから行うことができるようになりました。

ショートカットの設定

ショートカットの操作は、ホームボタンがある機種では [ホームボタンのトリプルクリック] 、ホームボタンがない機種では [サイドボタンのトリプルクリック] です。 

1)[設定] アプリを開きます。

2)[一般] > [アクセシビリティ] > [ショートカット] を開きます。

3)ショートカットで操作する機能にチェックを入れます。ここでは [スイッチコントロール] にチェックを入れます。

コントロールセンターの設定

iOS 12からはコントロールセンターにアクセシビリティのショートカットのアイコンを表示す ることができるようになりました。コントロールセンターは、画面の右上から斜め下に向かってスワイプする操作で表示することができます。

1)[設定] アプリを開きます。

2)[一般] > [コントロールセンター] > [コントロールセンターをカスタマイズ] を開きます。

3)[アクセシビリティのショートカット]  の前にある 緑色の+マーク をタップし、上の段 [含める] に加えます。

 


【スイッチコントロールの設定を初期値に戻す】 

スイッチコントロールの動作は、設定を少し変えただけで動きが変わり使い勝手も大きく変わります。一つの設定が他の設定に影響することもあります。

これは、複雑すぎて使いづらいということではなく、それだけ自由度の高いカスタマイズが可能だと理解してください。この機能が標準装備されていること、そして、各アプリ開発者がその点を考慮して開発している限りスイッチによる基本的な操作が保障されているという点は本当に素晴らしいことだと思います。

そこで、様々な設定を行なっている途中に何か問題が起こって思うように動かなくなった時のために、一旦設定を元に戻して順番に確認をして問題を解決できるようにしたいと考えました。その手順を以下に示します。

なお、iPadを初期化した状態のスイッチコントロールの設定状況とは異なりますので、これから初めてスイッチコントロールを使おうとする場合は、まず最初にこの設定を行なってください。

1)[ハイライトのスイタイル] を [単一スイッチステップハイライト] にする。

番号 項目 操作
1-1 滞留時間 [1.8秒] に設定する。
1-2 自動的に非表示 一旦 [オン] にして、[5秒] に設定してから、[オフ] にする。
1-3 移動の繰り返し 一旦 [オン] にして、[0.6秒] に設定してから、[オフ] にする。
1-4 長押し 一旦 [オン] にして、[0.6秒]、ハイライトを一時停止を [オン] にしてから、長押しを [オフ] にする。

2)[ハイライトのスイタイル] を [手動] にする。

番号 項目 操作
2-1 タップの動作 [自動タップ] にして、[1.2秒] に設定する。
2-2 タップしたあとにフォーカスされる項目 [現在の項目] に設定する。

 

3)[ハイライトのスイタイル] を [自動] にする。

番号 項目 操作
3-1 自動ハイライトの時間 [1.8秒] に設定する。
3-2 最初の項目で一時停止 [オン] にして、[0.5秒] に設定する。
3-3 繰り返し [] に設定する。

4)その他の設定

番号 項目 操作
4-1 スイッチ 登録されているスイッチの設定を削除する。
4-2 レシピ 登録されているレシピを削除する。
4-3 キーボードの項目 タップ後に同じキーをスキャン を [オフ] にする。

キーボードのキーを常にタップ を [オフ] にする。

拡張予測変換 を [オフ] にする。

4-4 スイッチ安定化の項目 保持継続時間 を [オフ] にする。

繰り返しを無視 を [オフ] にする。

4-5 ポイントハイライト 選択モードを [シングル] に設定する。

グライドカーソルの速度を [30] に設定する。

4-6 効果音 [オフ] にする。
4-7 読み上げ [オフ] にする。
4-8 メニュー項目

最上位レベル

一旦 [すべての項目を表示] にし、続けて [すべての項目を非表示] にする。(全部チェックなしになる。)

次の項目にチェックをつけて順番に並べる:

esc

要素固有のアクション

スクロール

ホーム

項目/ポイントモード

レシピ

4-9 [メニュー項目を追加] を選択し、[設定] の [グループオン/オフ] だけをチェックする(他のチェックは外す)。
4-10 最上位レベルに戻ると、 [グループオン/オフ] がリストに追加されているので、[ホーム]  の次にチェックをつけたまま並べる。
4-11 項目をグループ化 オフ にする。
4-12 大きいカーソルを使用 オン にする。
4-13 カーソルの色 ブルー に設定する。
4-14 保存済みのジェスチャ 登録されたものがあれば削除する。

 

 

 


【競合する機能を一旦オフにする】

スイッチコントロールと競合しないよう、スイッチコントロール機能をシンプルに説明するために、不要な機能をオフにします。

手順

1)[設定] > [一般] > [アクセシビリティ] を開き、視覚サポートの次の項目を [オフ] にする。

VoiceOver

ズーム機能

スピーチ

2)[設定] > [一般] > [アクセシビリティ] を開き、次の機能を [オフ] にする。

AssistiveTouch

タッチ調整

3)[設定] > [一般] > [アクセシビリティ] > [キーボード] を開き、次の機能を [オフ] にする。

キーのリピート

複合キー

スローキー

4)[設定] > [一般] > [アクセシビリティ] > [アクセスガイド] を [オフ] にする。

 


【操作の種類】

スイッチコントロールでは、スイッチを1つだけ使う方法と複数使う方法の大きく分けて2通りの方法があります。

スイッチコントロールの基本

スイッチ操作の基本は、フォーカス(選択場所)を「移動」して、それに対してアクションを「決定」するという2つの動作です。

選択場所の移動の方法には、 項目モード ポイントモード の2種類があります。項目モードは、画面上の項目のフィーカスを順番に 移動 させていき、選んだ項目に対して アクション(タップなどの動作のこと)の 決定 をします。一方、ポイントモードは、画面上に自動的に表示されるグライドカーソルと呼ばれる位置決めのためのラインをスイッチで止めて、縦横それぞれの位置を指定しその位置でアクションの決定をします。  

移動と決定の動作(ハイライトのスタイル)

スイッチを1つだけ使う場合は、「(フォーカスの)移動」と「(アクションの)決定」のどちらかの動作をiPadが行うようにし、もう1つの動作をスイッチで行うことになります。

または、iPadのスイッチコントロールで、スイッチの短押しと長押しで動作を分ける設定を行い、1つのスイッチで2つの動作を操作することもできます(短押しで移動、長押しで決定)。

移動の場所をハイライトさせる方法は、移動と決定を自分で行うかiPadが行うかの組み合わせによって次の3つの方法があります。

移動 決定 スイッチコントロールのハイライト設定
自分 自分 手動ハイライト
iPad(自動) 自分 自動ハイライト
自分 iPad(自動) 単一スイッチステップハイライト

 

スイッチを2つ使う場合は、1つのスイッチに「移動」、もう1つのスイッチに「決定」を割り当てて使います。3つ以上使うのであれば、「ホーム画面に移動」「音量を上げる」「コントロールセンターを表示」といった別なアクションを割り当てることができます。

スイッチコントロールのハイライトメニュー 

スイッチコントロールで「決定」の操作をした時に、「ハイライトメニュー」が表示されます。決定した位置で何のアクションを行うかを指定するためのものです。通常はその場所をタップするアクション「タップ」を選択することになります。毎回ハイライトメニューを表示してタップを選択するのは操作が面倒ですので、「何もしなければタップとなり、必要に応じてハイライトメニューを表示する」という設定で使用します。

「タップの動作」という設定でそれらを指定します。設定は3種類あります。

なお、ハイライトメニューに表示される項目やその順番は、設定により変えることができます。使用しないメニュー項目は非表示にすることで、項目選択の手間を減らすことができます。

タップ後の動作の設定 スイッチコントロールのハイライト設定
デフォルト(初期値) ハイライトメニューを表示する。
自動タップ ハイライトメニューを表示せず、タップを選択したことにする。ハイライトメニューを表示したい場合は、選択された項目が光っている間に再度スイッチを操作する。
常にタップ ハイライトメニューを表示せず、タップを選択したことにする。ハイライトメニューは、画面右下に現れる黒いアイコンを選択して表示させる。



 


【適した設定を行うために】

スイッチの選択・スイッチの置き方・スイッチ自体の機能調整・使う身体の場所 によって操作感は大きく変わります。また、使うアプリ、コンテンツの選び方(作り方)によっても使い勝手が大きく変わります。コンテンツによっては、スイッチの操作回数を減らすこともできますので、複合的な要因で操作のし易さが変わることは常に念頭においてください。

また、スイッチで操作をすることが目的ではなく、操作して何をするかが目的です。目的の実現のためには操作方法が変わっても良いですし、他の技術との組み合わせによる実現もあります。スイッチ操作が上手くいくためにも、スイッチ操作にとらわれすぎないようにご注意ください。

適したスイッチを使いやすい設定にするために、身体状況を次のポイントでご確認いただくことをお勧めします。

1)スイッチの数

1つだけのスイッチを使うか、2つ以上のスイッチを使うかを見極めます。

2つ使うことができれば自分の意思で操作をし易いです。1つだけのスイッチを使う場合
でも、他のポイントもご確認になり、総合的に判断してください。

2)長押し

スイッチを押す際、「カチ」と押すのを短押しとすれば、「カチー」と長めに押すのを
長押しと呼びます。長く押した後にスイッチを離すことができるかどうかも判断のポイント
となります。短押しと長押しに別のアクションを割り当てることができれば、1つのスイッ
チでも2つの操作ができるようになり、自分の意思で操作がし易くなります。

また、短押しは1つ進む、長押しは押している間進み続ける、という設定をすることで
何度もスイッチを押して移動操作をする手間を省くことができる可能性もあります。

短押しと長押しの違いは、押している時間の秒数です。その秒数の設定はスイッチコント
ロールで指定することができます。

3)連続押し

スイッチを続けて何度も押すことができるかどうかを見極めます。練習では数回は押す
ことができても、何度か押していると疲れてしまって操作ができなくなることもあります。
その場合は、連続押しによる操作は向いてないと判断した方が良いでしょう。

スイッチの操作回数を減らした方が操作が楽な場合は、移動操作はiPad(スイッチコン
トロール)に任せて、決定操作を自分で行うという設定が良いと考えられます。

4)2度押し

ある程度の短い時間の中で、カチ・カチと2度押しができるかどうかを見極めます。

上記の1~3の結果、長押しも連続押しもできないが、2度押しができる場合は、1度
押しと2度押しに別のアクションを割り当てることで、1つのスイッチでも2つの操作が
できるようになり、自分の意思で操作がし易くなります。

これはiPadの標準機能ではなく、変わる君の設定によって実現可能です。詳細は、
サポート( info@yubidenwa.jp )にお問い合わせいただくか、「指伝話を使いながら覚える
iOSスイッチコントロール 1-2-3! わかる変わる君編」をご覧ください。

 


【スイッチコントロールの操作】

ここでは、最初に外部スイッチを1つ登録し、

・自動ハイライト(項目モード)

・自動ハイライト(ポイントモード)

・手動ハイライト(項目モード)

・単一スイッチステップハイライト

次に外部スイッチの2つ目を登録し、

・手動ハイライト(項目モード)

を順番に試す方法を説明します。

以上を順番に試すことで、基本的なスイッチコントロールの機能と操作を体験していただくことができます。

次に、主な機能の説明をします。

 


【スイッチの登録】

1)スイッチとiPadを接続します。

スイッチとiPad本体とは、直接ケーブル接続することができません。有線または無線で接続します。その方法に関しては「指伝話を使いながら覚える iOSスイッチコントロール 1-2-3! 接続編」をご参照ください。

2)[設定] アプリを開き、[一般] > [アクセシビリティ] > [スイッチコントロール] を開きます。
※以下この操作は「スイッチコントロールの設定を開きます」と表記します。  


3)[スイッチ] をタップします。  

4)[新しいスイッチを追加…] をタップします。 

5)[外部] をタップします。

ちなみに、[画面] とはiPadの画面全体をスイッチとして使う方法です。画面のどこをタップしてもスイッチを押したことになります。外部スイッチを接続しなくてもiPadの画面をタッチセンサースイッチとして使えるのは魅力です。ただし、画面の項目を直接タップしようとしてもそのタップはスイッチを押したとみなされるようになるので注意が必要です。

iPadに外部モニタをつけてそれをみながら、手元のiPadはスイッチとして使うといった使い方ができます。

[カメラ] は内蔵カメラをスイッチとして使う方法です。顔を左右に動かす動作をスイッチとして認識させる方法です。正直なところ、この原稿を執筆中にこの機能を有効に使うアイデアはありません。顔の動きが小さいと認識されず、大きくすると首が痛くなります。外部スイッチを使って操作する方が実用的と現時点では考えています。 

6)外部スイッチのアクティベート(使用開始を宣言する)を求められるので、接続しているスイッチを1度操作します。 

7)スイッチの名称を登録するダイアログが表示されます。何も入れなければ薄いグレーで表示されている名称で登録されます。ここでは名前は入れずに [保存] をタップします。
 

8)いま設定をしたスイッチのアクションを割り当てる画面が表示されるので、[項目を選択] をタップします。 

9)1つ前の画面に戻った表示になります。[項目を選択] のアクションが登録されているスイッチが登録されていることを確認し、もう1つ上の階層に戻ります。 

10)スイッチの欄に [1] と表示され、スイッチが登録されたことが確認できます。
以上でスイッチの登録は完了です。 

 


【自動ハイライト(項目モード)を試す】

これまでの設定手順で、自動ハイライト(項目モード)を使える状態になっています。

1)指伝話RT アプリを立ち上げ、[会話セット] を選択し、[身だしなみ] を選択しておきます。 

2)コントロールセンターを表示し、スイッチコントロールをオンにします。 

自動ハイライト(項目モード)の動き

自動ハイライト(項目モード)は、画面上の項目を示す青い枠(ハイライトカーソル)が自動的に動いていき、選択したいところでスイッチを操作するとその項目をタップしたことになる使い方です。 

  1. 画面の青い枠が表示され、自動で次の項目へ移動します。
  2. 自動で次の項目へ移動します。
  3. 自動で次の項目へ移動します。
  4. [スイッチを押す] と、
  5. 選択された項目全体が青く反転します。
    そのまま待っていると、
  6. その項目がタップされたことになります。
    指伝話RTの例では、「目薬をさしてください」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変わります。

 



【ハイライトメニューについて】 

ハイライトメニューの表示 

項目モードでスイッチを押し、選択された項目全体が青く反転している間に再度スイッチを押すと、ハイライトメニューが表示されます。

ハイライトメニューでは、他のアクションを行う指示をすることができます。現在表示されているハイライトメニューは、初期設定で指定した項目だけです。

ハイライトメニューに表示される項目や順番も自分の好みで設定することができます。

例えば、ホーム画面に移動する、画面をスクロールしたりスワイプする、指2本で写真をピンチして大きく表示する、文章を選択してコピー&ペースとするといった、さまざまな動作を行うことができ、ほぼすべてのiPadの操作をスイッチで行うことができるようになります。

ハイライトメニューの一歩進んだ使い方については、「指伝話を使いながら覚える iOSスイッチコントロール 1-2-3! 上級編」をご参照ください。

ハイライトメニューを常に表示しない方法

使い方によっては、ハイライトメニューが表示されない方が使い勝手がよい場合があります。ハイライトメニューを表示させない方法を紹介します。

スイッチのアクションを [タップ] にする

スイッチのアクションは [項目を選択] を使用していました。これを [タップ] に変更すると、スイッチを操作した時に直接タップされるようになるので、ハイライトメニューが表示されなくなります。 

もともと、 [項目を選択] のアクションはハイライトメニューを表示し、何のアクションをするかを選択するのが基本的な使い方です。いま、[タップの動作] という設定を [自動タップ] にしているので [項目を選択] をすると一定時間後に自動的にタップされる設定になっています。一定時間青く反転していて何もなければタップとなる設定です。

ハイライトメニューを常に表示する方法

使い方によっては、ハイライトメニューが常に表示されている方が使い勝手がよい場合があります。ハイライトメニューを常に表示させる方法を紹介します。

タップの動作を [デフォルト] にする

[タップの動作] の設定を [自動タップ] にしていたのを [デフォルト] にします。スイッチを押した時のアクションは [項目を選択] にします。 

タップの動作が [デフォルト] の場合は、一定時間を待つことなくアクションに移るので、選択された項目が青く反転することはありません。アクションは [項目を選択] にしているので、そこでのアクションを選択するハイライトメニューが表示されます。

そのハイライトメニュー」の表示には2通りあります。最初の段階ですべてのハイライトメニュー項目を表示する方法と、最初の段階では限られたメニューだけを表示する方法です。 

この設定は、スイッチコントロールの設定の [メニュー項目] にある [最初のページを簡略表示] の設定で指定します。 

ハイライトメニューを簡略表示した時に他の項目を表示させたい場合は、[オン] にします。

ハイライトメニューには、タップやフリック、ピンチ、ドラッグといったジェスチャを表示できますので、簡略表示せず、操作上よく使う項目をすぐに選択できるようにするといった使い方もできます。

 


【自動ハイライト(ポイントモード)を試す】

これまでの設定手順で、自動ハイライト(項目モード)を使える状態の続きから説明をします。前節の ハイライトメニュー で設定を変更した場合には一旦戻しておいてください。

1)指伝話RT アプリを立ち上げ、[会話セット] を選択し、[身だしなみ] を選択しておきます。

2)項目モードでスイッチを操作し、ハイライトメニューを表示し、[ポイントモード] を選択します。  

  1. 横向きに動く青い線が表示され、スイッチを押すと線が停止し、
  2. 縦向きに動く青い線が表示され、スイッチを押すと線が停止し、
  3. 線が交差した場所にある項目全体が青く反転した後に、
  4. 黒い円が表示され、そこがタップされたことになります。
  5. 指伝話RTの例では、「目薬をさしてください」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変わります。

 


【グライドカーソルについて】

ポイントモードのグライドカーソルの速度と、選択方法を変更することができます。

速度の変更

スイッチコントロールの設定で、[グライドカーソルの速度] をタップして、1~120の数値を指定します(1が低速)。 

選択モードの変更

ポイントモードで縦横の位置を決める方法には [シングル] [微調整] [正確] の3種類あります。

選択モード スイッチコントロールのハイライト設定
シングル 縦横それぞれ1回ずつのスイッチ操作で位置を決定する。
微調整 縦横それぞれ、1度位置を幅をもって決定した後に、その幅の中での位置を決定する。都合、縦横それぞれ2回ずつのスイッチ操作で位置を決定する。
正確 縦横それぞれ、1度位置を幅をもって決定した後に、その幅の中での位置を決定するが、そこでスイッチ操作するとグライドカーソルの移動速度が低速となり、最終的な位置をスイッチ操作で決定する。都合、縦横それぞれ3回ずつのスイッチ操作で位置を決定する。

その設定は、スイッチコントロールの設定で、[選択モード] で行います。

 

iOS 11までは、選択モードは2種類しかなく、現在の [シングル] の動作はありませんでした。それまでは、画面上の1箇所を選択するのに、最低限4回スイッチを操作する必要がありましたが、[シングル] が登場したことにより最低2回の操作でよくなりました。

これまで項目モードを使っていた方が、ポイントモードを使うようになったり、併用するケースが多くなりました。特に五十音キーボードから文字を選択する場合、2回のスイッチ操作で1文字を選択できるようになった点は大きな変化でした。

 


【ポイントモードの設定の注意】

この後、手動ハイライトの設定を行なっていきますが、ポイントモードのまま手動ハイライトに切り替えず、必ず項目モードに戻しておいてください。

ポイントモードのまま手動ハイライトにすると、選択操作が効かなくなることがありました。設定の組み合わせから生じる問題と思われますが、グライドカーソルが画面の途中までしか動かない、グライドカーソルを止めようとしても、動きが繰り返されるなど、制御できなくなる現象がみられることがあります。

万が一、そのようなことになった場合は、最初に戻って設定を行ってください。自動スキャンでポイントモードの状態で始まった場合は、ハイライトメニューを表示して、[項目モード] に切り替えてください。

 


【手動ハイライト(項目モード)を試す】

スイッチコントロールの動作で、「移動」と「決定」のうち、「移動」をiOSに任せるのが [自動ハイライト] でしたが、2つの操作とも自分で行うのが [手動ハイライト] です。

ここでは、スイッチ1つでの設定を行います。スイッチが1つの場合、長押しの機能を使い、短押しが移動、長押しが決定という設定にすることで、スイッチ1つでも2つの操作ができるようにします。

1)スイッチコントロールの設定で [ハイライトのスタイル] を [手動ハイライト] にします。 

2)[長押し] を [オン] にします。

長押しの秒数は [0.6秒] にします。好みに応じて変えていただいて結構です。 

3)[タップ後の動作] は [常にタップ] にします。

長押しを使う場合、[タップの動作] で [自動タップ] を使うのは、ハイライトメニューを出す長押しと、決定の長押しが、同じ動きで競合してしまいます。その場合は [自動タップ] ではなく [デフォルト] か [常にタップ] を使うのが正解です。ここでは [常にタップ] にします。 

4)[スイッチ] の設定を開き、設定してあるスイッチのアクションを変更します。

デフォルト: [次の項目に移動]

長押し  : [項目を選択] 

  1. 最初の項目にカーソルが表示され、スイッチを押すと、
  2. 次の項目にカーソルが移動し、スイッチを押すと、
  3. 次の項目にカーソルが移動し、スイッチを押すと、
  4. 次の項目にカーソルが移動し、スイッチを長押しすると、
  5. そこがタップされたことになります。

 

ハイライトメニュー

画面右下隅に表示される黒いアイコンを選択すると、ハイライトメニューが表示されます。

 

 


【単一スイッチステップハイライトを試す】

スイッチコントロールの動作で、「移動」と「決定」のうち、「移動」をiOSに任せるのが [自動ハイライト]、2つの操作とも自分で行うのが [手動ハイライト] でした。「移動」を自分で行い「決定」をiOSと一緒に行うのが [単一スイッチステップハイライト] です。

1)スイッチコントロールの設定で、[ハイライトのスタイル] を [単一スイッチステップハイライト] にする。 

2)[滞留時間] を [1.8秒] にする。 

3)[自動的に非表示] を [オン] にし [5秒] に設定する。 

4)[長押し] を [オフ] にする。 

5)[タップの動作] を [常にタップ] に設定する。 

6)[スイッチ] の設定を開き、設定してあるスイッチのアクションを変更します。

デフォルト: [次の項目に移動]

長押し  : (選択できない状態) 

  1. 最初の項目にカーソルが表示され、スイッチを押すと、
  2. 次の項目にカーソルが移動し、スイッチを押すと、
  3. 次の項目にカーソルが移動し、スイッチを押すと、
  4. 次の項目にカーソルが移動し、そこで待っていると、
  5. 項目が青く表示され、スイッチを押すと、
  6. そこがタップされたことになります。

単一スイッチステップハイライトの特長

項目の移動をスイッチで行い、一定時間( [滞留時間] の設定)何もしなければそこを選択することでよいですね?という確認となります。その確認の時間が一定時間( [自動的に非表示] の設定)過ぎると、選択がすべて解除されます。再びスイッチを押すと最初の項目から開始となります。

[移動の繰り返し] の設定をしていると、その秒数長押しをすると、項目の移動が長押しをしている間行われるようになります。毎回移動の度にスイッチを押すのではなく、自動車のアクセルを踏んでいる間前に進むような感じの操作となります。

[滞留時間] と [自動的に非表示] の設定の使いやすい組み合わせを見つけて使用してください。

 

 


【項目のグループ化】

項目モードで、項目の移動を1つずつではなく、ある一定のグループごとに移動し、グループを選択した後にその中の項目を順番に移動する設定が、 [項目のグループ化] です。

画面上に項目が多い場合には、移動に時間がかかるのでグループ化して移動させることは有効です。ただし、画面上の項目が少ないのであれば、グループを選択する1ステップが増えることになります。画面の項目の構成内容によって使い分けるようにしてください。

指伝話メモリで作成した画面の場合、1ページに表示される枚数によって、グループ化の方法が変わります。

1ページに4枚表示の場合

[項目のグループ化] を [オン] にしていても、4つのカードそれぞれに移動します。

1ページに9枚・16枚表示の場合

[項目のグループ化] を [オン] にしていると、1行目のカードはそれぞれに移動し、2行目からグループ化されて移動します。

指伝話メモリで階層メニューを作りページ遷移がある画面を作る場合には、1行目に画面遷移に関わるカードを配置すると、グループ化をオンにしていても操作がし易くなります。

また、タイトルバーが表示されている時は、タイトルバーの項目がそれぞれに移動し、カードの1行目からグループ化されて移動します。

 


【ポイントモードと項目モード】

アプリの開発者の開発の仕方によっては、画面上に項目があるように見えても、スイッチコントロールが項目として認識しない形であることもあります。画面に1つも項目がない場合は、設定が項目モードになっていても、自動的に一時的にポイントモードとなりグライドカーソルが表示されます。

ポイントモードを使用している時でも、ハイライトメニューの中は項目モードの動きをします。

 


【自動ハイライトと手動ハイライト】

自動ハイライトと手動ハイライトは、設定によってどちらかに決めて使うのが基本です。ただし、1スイッチであってもハイライトメニューの選択操作ができるのであれば、自動ハイライトと手動ハイライトを切り替えて使用するための設定を行うことができます。

普段は手動ハイライトで操作していて、疲れてきたら自動ハイライトに切り替えるといった使い方も考えられます。

その設定方法については、「指伝話を使いながら覚える iOSスイッチコントロール 1-2-3! レシピ編」をご参照ください。

 


【解説】

以上が、スイッチコントロールの基本です。まだ細かな設定がたくさんあり、設定の組み合わせによって動作も使い勝手も大きく異なります。どの設定がベストなのかは、その人の身体の状況にもよります。慣れや体調によって使い勝手の良さも感じ方も変わります。

スイッチの導入に際しては、次の点にもご留意ください。

1.スイッチの種類と設定

適したスイッチの選択は重要です。指先がわずかに動くだけの方に、ある程度の力が必要な押しボタン式のスイッチは適さないかもしれません。ピエゾスイッチや空圧スイッチは、感度の調整や設置場所の調整に気を使います。

例えば、スープを飲む時はお箸ではなくスプーンが適しています。小さなスプーンで少しずつ口に入れた方が飲みやすい人もいますし、少し冷めたスープをストローで飲むことならできる人もいます。蕎麦を食べる時はフォークでは雰囲気がでないと思うかもしれなけどお箸が持ちにくいならフォークはよいチョイスです。雰囲気を大切にして木や竹で作ったフォークなら喜ばれるかもしれません。

スイッチも同様に、機能的な面でなく、使う人の気持ちも考えて、スイッチの選択と設定調整を行うことが大事だと考えています。

2.段階を経て導入

特に画面でタップしてiPadを操作することを知っている場合は、スイッチで操作することにもどかしさを感じるかもしれません。指でタップしていた時のようにテキパキと動かせないイライラが操作間違いを引き起こして余計にイライラしてしまったらもったいないことです。

「LINEで家族と連絡とれるようにしたい」「メールをしたい」「ワードで書きたいことがある」という要望が多くありますが、アプリの操作、文字入力とかなり細かな操作を、初めてスイッチを使う方がいきなり挑戦すると、やっぱりできない!と感じてしまう可能性が高くなってしまいます。

小学校の調理実習の最初はゆで卵でした。多少の卵の大きさの違いはあってもきちんと時間を守れば調理結果はうまくできるからです。同じ卵料理でも、スクランブルエッグやオムレツだってあります。卵は火加減によって硬さも味も変わる難しいものです。いきなり高度な料理に挑戦するのではなく、目標を持って徐々に慣れてもいいと思います。

スイッチも同様に、すべてのiPadの操作はスイッチでできるということを知った上で、まず最初は画面に表示された9枚のカードのうち1つを選んでタップすると音声で伝えるような、シンプルな使い方から始めると良いと思います。

3.焦らず楽観的に

自動ハイライトで動いているカーソルを、望みの場所でスイッチを押して選択するのは意外と難しいものです。初めての人だと、縁日の射的くらい難しいです。

「あー、惜しい」「そこじゃないって」「遅いんだってば」「もうだめねぇ」と横にいる人が思わず言ってしまうことがあります。そんなことは本人が一番よくわかっていることです。横でため息をつかれるだけで気が滅入ってしまいます。

子どもが初めて電気炊飯器でお米を炊いてくれた時に、水加減によって硬めの出来上がりだった時は「この硬さはカレーの時にはいいかもね」と言うし、軟らかめに出来た時は「塩昆布と一緒だと美味しいかもね」と言って、その良さを引き出すのが周りの一言だと思います。

スイッチも同様に、押すタイミングが早い時には「そのタイミングが早く押す時の感じですね」と伝えて、操作感を覚えてもらえるなら、きっとすぐに自在に操れるようになると思います。練習している時は「いい感じですねぇ」「その調子!」と合いの手を上手に入れるように私たちは心がけています。

4.再現しやすい利用環境

この微妙な角度であればスイッチを認識しますね、と専門家に言われても、その後そのスイッチの設定をするのは家族や支援者です。ヘルパーさんも毎日違う人がくるかもしれません。ある脳性麻痺の方が、自分の声で話しができず不随意運動があるのでiPadの画面のタップもできなかったのですが、スイッチを頭で押してiPadを操作していました。しかし新しいヘルパーさんは、そんなことができるとは思わずiPadを彼が使えるように設置しませんでした。設置してくれた他のヘルパーさんもいましたが、Bluetoothの接続がわからず結局使えないまま放置。彼はその間、自分の意思を伝えることもテレビのチャンネルを自分で変えることもできませんでした。

誰でも再現しやすい環境を整えることが大切です。Bluetoothではなく有線の接続であったらできたかもしれませんし、彼がどのように使っているかビデオを撮っておいて初めてのヘルパーさんが見られるようにしておけば、できないという思い込みを捨てて彼に接してくれるかもしれません。

炭火で焼いた焼鳥はとても美味しいです。炭火の準備も鶏肉を切り串に刺すのも、パーティーのためなら時間も手間もかけるのが楽しいですし、多少焦げてしまってもそれは笑いのネタになります。でも毎日の食事となれば話は別です。もちろん、本物の味を楽しんでもらうことは素晴らしいのですが、準備が大変だからたまにしか食事は作らない、というわけにはいきません。

スイッチも同様に、使う環境を整えるのは簡単であることが大切です。たまに使うものではなく毎日使うものですし、誰が準備しても安定して操作ができる環境を用意しておくことも重要なポイントだと考えています。

スイッチを使うことは目的ではありません。

スイッチでなんでも一人でできるようになったらそれでいい、ということでもありません。

スイッチを導入する過程も大事なコミュニケーションの機会です。

是非、楽しみながら一緒に進めてください。