(2020年1月版)


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はじめに

スイッチコントロールは、スイッチを使ってiPhone/iPadを操作するためのiOS/iPadOSの標準機能です。すべてのiPhone/iPadでこの機能を使うことができます。

この説明書では、iPad/iPhoneとスイッチを接続した後、スイッチコントロールの基本的な設定や操作方法について説明をします。

iPad/iPhoneとスイッチとの物理的な接続に関しては「iOS/iPadスイッチコントロール 1-2-3! 接続編」をご参照ください。

スイッチによるiOSの操作は、単に設定だけの問題ではなく次の要因が大きく影響します。

1)身体の状態に合わせたスイッチの選択
2)スイッチコントロールの設定
3)使用するアプリ
4)アプリのコンテンツ

特にスイッチコントロールの設定は、たった一つの設定の変更で使い勝手が大きく変わることがあります。それだけ身体の状態に合わせたカスタマイズ設定ができるという意味です。

設定の詳細をすべて知ることが先だと思わず、使っている上で「もっと便利にならないかな?」と思ったらきっと方法があると考えて、それから調べるというのでも良いと思います。

一つの設定だけでなく複数の設定によって使い勝手がより良くなることもあります。気に入った設定を育てていくのも一つの楽しみと考え、トライしてみてください。

この説明書をひとしきり読みながら試していただくと、スイッチコントロールの基本的な仕組みがわかると思います。また、基礎的な部分の共通理解として、ここでの説明を理解していただくと、その後の説明と理解が早くできるようになります。既にスイッチコントロールを使われたことがある方も、是非一度初心に戻って、この説明書で情報を共有してみてください。

読み進める中で、「そこのところはちょっと思っていたのと違うんだよなぁ」と感じるところがあるかもしれません。それでも最後まで流れに沿って動作を確認してみてください。

その上で、気になったところをどのように改善していくか、一緒に考えていきたいと思います。


説明について

iOS/iPadOS 13について

iOSは、バージョン13からiOSとiPadOSに分かれましたが、基本的な点については共通です。iPadOSも、標準のiPadとiPad Proとでは使える機能が違うために表示される設定項目も変わります。説明書に記載されている内容や画面表示とお使いのiPadの表示が違うこともありますが、ご承知おきください。

スイッチコントロールの設定

スイッチコントロールの設定は、次の場所で行います。

iOS/iPadOS 13以降:
設定 アプリ > アクセシビリティ > スイッチコントロール
iOS 12まで:
設定 アプリ > 一般 > アクセシビリティ > スイッチコントロール
 以下、この説明書ではこの設定画面を「スイッチコントロールの設定」と表記します。

スイッチコントロールのオン・オフ

スイッチコントロールのオン・オフは、いくつかの方法があります。この説明書の「最初に一度行っておく設定」を行なった後に、「スイッチコントロールのオン・オフの仕方」の項目で説明をします。

スイッチとiPadの接続

スイッチとiPad本体とは、直接ケーブル接続することができません。有線または無線で接続します。各社からさまざまな接続機器が販売されています。本書では、スイッチを2つ接続できる接続機器を使っています。スイッチが1つしか接続できない機器をお使いの場合は、2つのスイッチを接続する部分の説明については読み飛ばしてください。

その方法に関しては「指伝話を使って覚える iOS/iPadOS スイッチコントロール 1-2-3! 接続編」をご参照ください。

 

その他注意

スイッチコントロールの設定を変更する場合は、スイッチコントロールを一旦オフにしてから設定を変更するようにしてください。

通常は、設定を変更すれば効果が即時有効になるのですが、稀に、一旦設定が保存されてからということもあります。それはバグでマイナーアップデートで修正されるものかもしれませんしあえてそういう仕様になっているものかもしれません。設定に関するこの説明書では、スイッチコントロールをオフの状態で設定して、オンにして動作確認をしています。

ご自身ですべてをスイッチコントロールで操作されている場合、スイッチコントロールをオフにすることで操作ができなくなってしまうので、この確認は難しいことだと思います。基本的にはスイッチコントロールを使用しながら設定変更をすることで問題ないのですが、万が一思ったように動作しない場合には、誰かに頼んで一度スイッチコントロールをオフにして再びオンにすることを試みる、ということをお願いします。


説明で使用するアプリについて

スイッチコントロールの機能を使えば、指で行うiPad操作のほぼすべてをスイッチ1つだけの操作で行うことも可能です。

スイッチでiPadが操作できると聞くと、すぐに「LINEをしたい」「メールを送りたい」「インターネットで検索したい」という答えが返ってきます。もちろんそれは可能ですが、いずれも文字入力が必要なものです。ソフトキーボードを使ってスイッチ操作で文字を入力するのは、スイッチ操作の中でも慣れるまでは難しく感じる部分です。いきなりその難しいことにチャレンジをして、うまくいかないなぁと思ってスイッチの利用を諦めてしまう方もいました。

そこで、私たちのお勧めは、実用的でありながら操作が簡単な指伝話メモリの絵カードを使うことです。画面上のカードを選択すると流暢な音声で話します。シンプルですが操作がわかりやすい上に、拡張性の高さからその後に便利に使う様子を想像しやすいので、最初の一歩を進めるために適したアプリと考えています。

指伝話メモリと指伝話RTは、カードタイプのコミュニケーションアプリです。絵や写真をタップすると流暢な合成音声で話しをするアプリです。画面の細かい部分を選択するのではなく、1画面に4枚や9枚表示されている中から1枚を選んでタップする操作ですから、ほとんど失敗なくすぐに使えるようになります。

1画面上に表示された数枚のカードの中から1つを選択するというのは難しい操作ではなく、それができるようになれば、合成音声で話すだけでなく、メッセージを送る、音楽をかける・止めるといったことや、LINEのメッセージをあらかじめセットした状態でLINEアプリを開くといった入力補助も含めてできるようになります。

この説明書の中では、指伝話RT を使ってスイッチコントロールの設定や操作を説明をしています。ダウンロードをして一緒に試しながら説明をご覧ください。

指伝話RTは、AppStoreで「指伝話RT」で検索して無料でダウンロードすることができます。

指伝話メモリ はiPadでのみ動作し、カードの編集を行うことができる有料のアプリです。さまざまなサンプルをウェブからダウンロードして、中身を自分で変えて使うことができます。

指伝話RT は、指伝話メモリで作成されたカードのサンプルをiPad/iPhone上で無料で試すことができるアプリです。カードの編集はできませんが、会話用のカード、教育教材、ゲーム、多言語、スマートスピーカーへの話しかけなど、さまざまなサンプルをお試しいただくことができます。

YMプレーヤーという有料のアプリもあります。iPad/iPhoneで使うことができ、カードの編集はできませんが、指伝話メモリで作成したカードを読み込んで使用することができます。指伝話RTはサンプルとして用意された内容のものしか試すことができませんが、YMプレーヤーであれば、誰か他の人が指伝話メモリで作ったカードセットをもらってきて使用することができます。

指伝話メモリ、YMプレーヤー 1.2から追加された機能を活用すると、単にカードを選んで音声で用事を伝えるだけでなく、メッセージを送ったり音楽を聴いたりといったことも可能になります。


最初に一度行っておく設定

スイッチコントロールを初めて使用する場合、次の「アクセシビリティのショートカットの設定」と「コントロールセンターの設定」を 設定アプリ で行ってください。

アクセシビリティのショートカットの設定

アクセシビリティの機能をオン・オフする操作は、スイッチコントロールの設定画面で行うことができる他、アクセシビリティのショートカットと呼ばれる操作で行うことができます。

●アクセシビリティ
> ショートカット

ショートカットで操作する機能にチェックを入れます。ここでは
スイッチコントロール
チェックを入れます。

アクセシビリティには、スイッチコントロール以外の機能もありますので、ショートカットの設定を行っておくと、ショートカット操作でどの機能をオンオフするかを選択できるようになります。

コントロールセンターの設定

iOS 12からコントロールセンターにアクセシビリティのショートカットのアイコンを表示することができるようになりました。コントロールセンターは、画面の右上から斜め下に向かってスワイプする操作で表示することができます。

●一般
> コントロールセンター
> コントロールセンターを
カスタマイズ

アクセシビリティのショートカット の前にある 緑色の+マーク をタップし、上の段 含める に加えます。


スイッチコントロールの設定を初期値に戻す手順 

スイッチコントロールの動作は、設定を少し変えただけで動きが変わり使い勝手も大きく変わります。一つの設定が他の設定に影響することもあります。

これは、複雑すぎて使いづらいということではなく、それだけ自由度の高いカスタマイズが可能だと理解してください。この機能が標準装備されていること、そして、各アプリ開発者がその点を考慮して開発している限りスイッチによる基本的な操作が保障されているという点は本当に素晴らしいことだと思います。

そこで、様々な設定を行なっている途中に何か問題が起こって思うように動かなくなった時のために、一旦設定を元に戻して順番に確認をして問題を解決できるようにしたいと考えました。その手順を以下に示します。

なお、iPadを初期化した状態のスイッチコントロールの設定状況とは異なりますので、これから初めてスイッチコントロールを使おうとする場合は、まず最初にこの設定を行なってください。

この初期値は、弊社でお勧めの設定です。以下、スイッチコントロールの使い方を説明していく上でも、この設定が基準になります。

スイッチコントロールの設定は、スイッチコントロールの設定画面で変更できるものありますが、使用中にハイライトメニューから選択して設定を変更する必要があるものもあります。

一度スイッチコントロールを使ったことがある場合は、以下の設定を行っても完全に元に戻らない場合もあります。それでも、一旦この初期設定にすることで、手順を踏んで設定を戻していくことができます。

他のアクセシビリティ機能について

iPadには、スイッチコントロール以外のアクセシビリティ機能があります。機能的に組み合わせての使用ができないものもあります。最初は、スイッチコントロール機能を理解するために、アクセシビリティ の設定で、以下の機能を オフ にしておくと良いです。

1)視覚サポート:VoiceOver、ズーム機能、スピーチ

2)タッチ:AssistiveTouch、タッチ調整マウスキー

3)キーボード:キーのリピート、複合キー、スローキー

4)アクセスガイド


スイッチコントロールの設定変更

次の手順で、スイッチコントロールの設定を変更してください。表記はiOS/iPadOS 13のものなので、以前のバージョンの場合は項目名が異なったり、項目そのものがない場合もあります。

1)全体の設定

番号 項目 操作
1-1 スイッチ 使用していないスイッチの設定があれば削除する。
1-2 レシピ 使用していないレシピの設定があれば削除する。

レシピを起動 は なし にする。

1-3 キーボードの項目 タップ後に同じキーをスキャン を オフ にする。

キーボードのキーを常にタップ を オフ にする。

拡張予測変換 を オフ にする。

1-4 スイッチ安定化の項目 保持継続時間 を オフ にする。

繰り返しを無視 を オフ にする。

1-5 ポイントハイライト

グライドカーソル

選択モードを シングル にする。

速度を 30 にする。

1-6 ポイントハイライト

ヘッドトラッキング

オフ にする。
1-7 効果音 オフ にする。
1-8 読み上げ オフ にする。
1-9 タップの動作 デフォルト にする。
1-10 メニュー項目 最上位レベル をタップ。

すべての項目を表示 をタップし、続けて すべての項目を非表示 にする。(全部チェックなしになる。)

次のものにもチェックを入れ、上位の方に並べておく。

esc
要素固有のアクション
ホーム
スクロール

最初のページを簡略表示オフ にする。

1-11 項目をグループ化 オフ にする。
1-12 大きいカーソルを使用 オン にする。
1-13 カーソルの色 ブルー に設定する。
1-14 保存済みのジェスチャ 登録されたものがあれば削除する。

2)ハイライトのスイタイル 単一スイッチステップハイライト にする。

番号 項目 操作
1-1 滞留時間 1.8秒 に設定する。
1-2 自動的に非表示 一旦 オン にして、5秒 に設定してから、オフ にする。
1-3 移動の繰り返し 一旦 オン にして、0.6秒 に設定してから、オフ にする。
1-4 長押し 一旦 オン にして、0.6秒、ハイライトを一時停止を オン にしてから、長押しを オフ にする。

3)ハイライトのスイタイル 手動 にする。

番号 項目 操作
2-1 タップの動作 自動タップ にして、1.2秒 に設定する。
2-2 タップしたあとにフォーカスされる項目 現在の項目 に設定する。

 

4)ハイライトのスイタイル 自動 にする。

番号 項目 操作
3-1 自動ハイライトの時間 1.8秒 に設定する。
3-2 最初の項目で一時停止 オン にして、0.5秒 に設定する。
3-3 繰り返し に設定する。

 


スイッチコントロールのオン・オフの仕方

スイッチコントロールのオン・オフの仕方は、いくつかの方法があります。

(1)ショートカットを使う方法

・ホームボタンがあるiPadでは、ホームボタンのトリプルクリックです。

・ホームボタンがないiPadでは、サイドボタンのトリプルクリックです。

(2)コントロールセンターから行う方法

・コントロールセンターを開くには、画面の右上から下に向かってスワイプします。

・アクセシビリティのショートカットのアイコンをタップし、スイッチコントロールを
選択します。

3)その他の方法

その他に、音声コントロールを使う方法、iOSのショートカットアプリを設定して行う方法もあります。


操作の種類

スイッチコントロールの基本

スイッチ操作の基本は、フォーカス(選択場所)を「移動」して、それに対してアクションを「決定」するという2つの動作です。

選択場所の移動の方法には、 項目モード ポイントモード の2種類があります。

項目モードは、画面上の項目のフィーカスを順番に 移動 させていき、選んだ項目に対して アクション(タップなどの動作のこと)の 決定 をします。

項目モードでは、画面上の項目(選択可能な場所)を順番にフォーカスが移動してきます。画面上の項目数が多い場合は、最初から最後の方まで移動するのを待つのが大変です。

その場合は 項目をグループ化 の機能を使うことで、一定の割合でグループに分けられた単位でフォーカスが移動し、グループを選択するとそのグループの中の項目を順番にフォーカスが移動するという2段階での選択になります。グループ化するかしないかは、使用する画面によって決めてよいですし、それをハイライトメニューで切り替えることもできます。

一方、ポイントモードは、画面上に自動的に表示されるグライドカーソルと呼ばれる位置決めのためのラインをスイッチで止めて、縦横それぞれの位置を指定しその位置でアクションの決定をします。UFOキャッチャーと同じ感じというとわかりやすいかもしれません。

ポイントモードでは、グライドカーソルを縦横1回ずつで指定するモード(シングル)の他に、2回ずつ(微調整)、3回ずつ(正確)の設定もあります。微調整や正確は、より細かいポイントを選択して操作することができますが、スイッチを押す回数は増えます。指伝話メモリのカードを選択する程度であれば、シングルが適しています。

移動と決定の動作(ハイライトのスタイル)

スイッチコントロールでは、スイッチを1つだけ使う方法と複数使う方法の大きく分けて2通り の方法があります。

スイッチを1つだけ使う場合は、「(フォーカスの)移動」と「(アクションの)決定」のどちらかの動作をiPadが行うようにし、もう1つの動作をスイッチで行うことになります。

または、iPadのスイッチコントロールで、スイッチの短押しと長押しで動作を分ける設定を行い、1つのスイッチで2つの動作を操作することもできます(短押しで移動、長押しで決定)。

移動の場所をハイライトさせる方法は、移動と決定を自分で行うかiPadが行うかの組み合わせによって次の3つの方法があります。

スイッチを2つ使う場合は、1つのスイッチに「移動」、もう1つのスイッチに「決定」を割り当てて使います。3つ以上使うのであれば、「ホーム画面に移動」「音量を上げる」「コントロールセンターを表示」といった別なアクションを割り当てることもできます。

移動と決定の動作(ハイライトの設定)
移動 決定 スイッチコントロールのハイライト設定
自分 自分 手動ハイライト
iPad(自動) 自分 自動ハイライト、ポイントモード
自分 iPad(自動) 単一スイッチステップハイライト

スイッチコントロールのハイライトメニュー

スイッチコントロールで「決定」の操作をした時に「ハイライトメニュー」が表示されるのが標準の初期設定(デフォルト)です。ハイライトメニューは、決定した位置で何のアクションを行うかを指定するためのものです。通常はその場所をタップするアクション「タップ」を選択することになります。

毎回ハイライトメニューを表示してタップを選択するのは操作が面倒ですので、「何もしなければタップとなり、必要に応じてハイライトメニューを表示する」という設定(自動タップ)があります。

これらは「タップの動作」と呼ばれ、3種類の設定から指定します。

タップの動作の設定
タップの動作の設定 スイッチコントロールのハイライト設定
デフォルト ハイライトメニューを表示する。
自動タップ ハイライトメニューを表示せず、タップを選択したことにする。ハイライトメニューを表示したい場合は、選択された項目が光っている間に再度スイッチを操作する。メニュー項目が何も設定されていなければ即時タップになる。
常にタップ ハイライトメニューを表示せず、タップを選択したことにする。ハイライトメニューは、画面右下に現れる黒いアイコンを選択して表示させる。

なお、ハイライトメニューに表示される項目やその順番は、設定により変えることができます。 使用しないメニュー項目を非表示にすることで、項目選択の手間や操作間違いを減らすことができます。

●デフォルト設定

●自動タップ設定

●常にタップ設定


適した設定を行うために

スイッチの選択・スイッチの置き方・スイッチ自体の機能調整・使う身体の場所 によって操作感は大きく変わります。また、使うアプリ、コンテンツの選び方(作り方)によっても使い勝手が大きく変わります。コンテンツによっては、スイッチの操作回数を減らすこともできますので、複合的な要因で操作のし易さが変わることは常に念頭においてください。

また、スイッチで操作をすることが目的ではなく、操作して何をするかが目的です。目的の実現のためには操作方法が変わっても良いですし、他の技術との組み合わせによる実現もあります。スイッチ操作が上手くいくためにも、スイッチ操作にとらわれすぎないようにご注意ください。

適したスイッチを使いやすい設定にするために、身体状況を次のポイントでご確認いただくことをお勧めします。

(1)スイッチの数

1つのスイッチを使うか、2つ以上のスイッチを使うかを見極めます。

2つ使うことができれば自分の意思で操作をし易いです。1つだけのスイッチを使う場合
でも、他のポイントも確認し、総合的に判断してください。

(2)長押し

スイッチを押す際、「カチ」と押すのを短押しとすれば、「カチー」と長めに押すのを
長押しと呼びます。長く押した後にスイッチを離すことができるかどうかも判断のポイント
となります。短押しと長押しに別のアクションを割り当てることができれば、1つのスイッ
チでも2つの操作ができるようになり、自分の意思で操作がし易くなります。

また、短押しは1つ進む、長押しは押している間進み続ける、という設定をすることで
何度もスイッチを押して移動操作をする手間を省くことができる可能性もあります。

短押しと長押しの違いは、押している時間の秒数です。その秒数の設定はスイッチコント
ロールで指定することができます。

(3)連続押し

スイッチを続けて何度も押すことができるかどうかを見極めます。練習では数回は押す
ことができても、何度か押していると疲れてしまって操作ができなくなることもあります。
その場合は、連続押しによる操作は向いてないと判断した方が良いでしょう。

スイッチの操作回数を減らした方が操作が楽な場合は、移動操作はiPad(スイッチコン
トロール)に任せて、決定操作を自分で行うという設定が良いと考えられます。

(4)2度押し

ある程度の短い時間の中で、カチ・カチと2度押しができるかどうかを見極めます。

上記の1~3の結果、長押しも連続押しもできないが、2度押しができる場合は、1度
押しと2度押しに別のアクションを割り当てることで、1つのスイッチでも2つの操作が
できるようになり、自分の意思で操作がし易くなります。

これはiPadの標準機能ではなく、変わる君の設定によって実現可能です。詳細は、
指伝話を使って覚えるiOS/iPadスイッチコントロール 1-2-3! わかる変わる君編」を
ご覧ください。


スイッチコントロールの操作について

ここでは、順を追って設定を変更しながら、さまざまなスイッチ操作を体験していただく手順をご説明します。これを一度知っていただければ、後はスイッチコントロールの設定の変更のバリエーションで、細かな設定ができるようになります。

スイッチコントロールの機能を使えば、文字入力やお絵描き、その他多くのアプリをスイッチ1つで使えるようになります。

ここでの説明は、基本的なところに限っていますが、基本の仕組みがわかれば、あとはどのハイライトメニューを使用するかということだけですので、まずはこの基本の仕組みを理解してください。より高度な使い方については、日本語入力編や上級編をご参照ください。


スイッチの登録

 まずスイッチとiPadを接続します。

スイッチコントロール
> スイッチ

スイッチコントロール
> スイッチ
> 新しいスイッチを追加…

スイッチコントロール
> スイッチ
> 新しいスイッチを追加…
> 外部

ちなみに、画面 とはiPadの画面全体をスイッチとして使う方法です。画面のどこをタップしてもスイッチを押したことになります。外部スイッチを接続しなくてもiPadの画面をタッチセンサースイッチとして使えるのは魅力です。ただし、画面の項目を直接タップしようとしてもそのタップはスイッチを押したとみなされるようになるので注意が必要です。

iPadに外部モニタをつけてそれをみながら、手元のiPadはスイッチとして使うといった使い方ができます。

カメラ は内蔵カメラをスイッチとして使う方法です。顔を左右に動かす動作をスイッチとして認識させる方法です。

● 外部スイッチのアクティベート(使用開始を宣言する)を求められるので、接続しているスイッチを1度操作します。

スイッチの名称を登録するダイアログが表示されます。

何も入れなければ薄いグレーで表示されている名称で登録されます。ここでは名前は入れずに 保存 をタップします。

名前は スイッチ1 になります。

いま設定をしたスイッチのアクションを割り当てる画面が表示されるので、項目を選択 をタップします。

1つ前の画面に戻った表示になります。項目を選択 のアクションが登録されているスイッチが登録されていることを確認し、もう1つ上の階層に戻ります。

● スイッチの欄に 1 と表示され、スイッチが登録されたことが確認できます。

以上でスイッチの登録は完了です。


自動ハイライト(項目モード)を試す

これまでの設定手順で、自動ハイライト(項目モード)を使う設定になっています。

1)指伝話RT アプリを立ち上げ、会話セット を選択し、身だしなみ を選択しておきます。

2)スイッチコントロールをオンにします。

自動ハイライト(項目モード)の動き

自動ハイライト(項目モード)は、画面上の項目を示す青い枠(ハイライトカーソル)が自動的に動いていき、選択したいところでスイッチを操作するとその項目をタップしたことになる使い方です。

  1. 画面の青い枠が表示され、自動で次の項目へ移動します。
  2. 自動で次の項目へ移動します。
  3. 自動で次の項目へ移動します。
  4. スイッチを操作する と、
  5. 選択された項目全体が青く反転します。
    そのまま待っていると、
  6. その項目がタップされたことになります。
    指伝話RTの例では、「目薬をさしてください」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変わります。(オレンジに変わるのは指伝話メモリのカードの作り方によります。)


ハイライトメニューについて

ハイライトメニューの表示 

項目モードを自動タップの設定で使用している場合、スイッチを押し、選択された項目全体が青く反転している間に再度スイッチを押すと、ハイライトメニューが表示されます。

ハイライトメニューでは、他のアクションを行う指示をすることができます。現在表示されているハイライトメニューは、初期設定で指定した項目だけです。

ハイライトメニューに表示される項目や順番も自分の好みで設定することができます。

例えば、ホーム画面に移動する、画面をスクロールしたりスワイプする、指2本で写真をピンチして大きく表示する、文章を選択してコピー&ペースとするといった、さまざまな動作を行うことができ、ほぼすべてのiPadの操作をスイッチで行うことができるようになります。

ハイライトメニューの項目
最上位レベル esc 要素固有のアクション ホーム
スクロール カーソルモード 増分/減分
Split View 編集操作 選択部分を微調整
Siriショートカット レシピ 音声入力
ジェスチャ タップ フリック パン
ピンチ タップして押さえる ドラッグ
押したままドラッグ ダブルタップ フリーハンド
保存済み
デバイス Appスイッチャー Dock 通知
コントロールセンター ロック画面 画面を回転
音量を上げる/下げる Spotlight検索 Siri
ショートカット シェイク スクリーンショット
SOS 他のデバイスを使用 解析
再起動
設定 メニューを移動 読み上げオン/オフ サウンドオン/オフ
グループ化オン/オフ
メディア

コントロール

前のトラック 再生/一時停止 次のトラック
逆方向にスキップ 順方向にスキップ 早送り
巻き戻し

ハイライトメニューを常に表示しない方法

使い方によっては、ハイライトメニューが表示されない方が使い勝手がよい場合があります。

スイッチを使い始めたばかりの時は、特定のアプリだけを使うこともあります。そういった場合はハイライトメニューを使わない方が使いやすいです。

また、指伝話メモリで作ったカードセットでは、カードを選択するという操作だけで様々なことができるような作りにすることも可能です。こういった場合にもハイライトメニューを使わないで済ませることができます。

スイッチのアクションを タップ にする

スイッチコントロール
> スイッチ
> スイッチ1
> デフォルト

スイッチのデフォルトのアクションは 項目を選択 を使用していました。これを タップ に変更すると、スイッチを操作した時に直接タップされるようになるので、ハイライトメニューが表示されなくなります。

ハイライトメニューの項目をなくす

スイッチコントロール
> メニュー項目
> 最上位レベル

もう一つの方法は、スイッチのアクションは 項目を選択 のままで、表示するハイライトメニューの項目をない状態にすることです。

スイッチが押されても表示されるハイライトメニューがないので、自動タップの設定で青く光る時間もなく、項目が選択されることになります。

この方法は、徐々に操作に慣れるに従ってハイライトメニューを増やす場合に有効です。

ハイライトメニューを常に表示する方法

使い方によっては、ハイライトメニューが常に表示されている方が使い勝手がよい場合があります。ハイライトメニューを常に表示させる方法を紹介します。

先ほどすべてを表示しない設定にしたメニュー項目の最上位レベルは、再びいくつかの項目を表示するように設定を戻しておきます。スイッチを押した時のアクションは 項目を選択 です。

タップの動作を デフォルト にする

スイッチコントロール
> タップの動作

デフォルト
に設定します。

スイッチコントロール
> メニュー項目
> 最上位レベル

最初のページを簡略表示
オフ
に設定します。

 

● スイッチを操作した時に、ハイライトメニューが表示されます。

スイッチコントロール
> メニュー項目
> 最上位レベル

最初のページを簡略表示
オン
に設定すると表示が少し変わります。

● スイッチを操作した時に、ハイライトメニューが表示されますが、タップ だけが表示されていて、2ページ目を選ぶと他のメニュー項目が表示されます。

メニューは常に表示させたいが、多くの場合は決まった操作であることが多いのであれば、この表示方法は有効です。

● メニューの下のページマークを選択すると、次のページが表示されます。

スイッチコントロール
> タップの動作

常にタップ
に設定します。

● この設定では、画面右下にハイライトニュー表示のためのアイコンが表示され、項目カーソルが最後にスキャンされます。

このカーソルが選択されている時にスイッチを操作すると、ハイライトメニューが表示されます。


自動ハイライト(項目モード)に関する設定のまとめ

ハイライトのスタイルを 自動ハイライト にした時に関連する設定項目の内容です。

番号 項目 操作
1 自動ハイライトの時間 フォーカスのカーソルの移動する時間。

 0.05秒~25.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

2 最初の項目で一時停止 自動ハイライトが動きだした時の最初の項目で余分に停止をする時間。

画面が切り替わった時に少し余分に待ち時間があると画面をぱっと見た時に全体を把握しやすい。

0.03秒~8.00秒まで0.05秒単位で指定します。

一旦最小の0.03秒にした後に0.05秒単位に刻むか、最大の8.00秒にした後に0.05秒単位に刻むかにより、0.03, 0.05, 0.08, 0.10, …, という設定が可能です。

3 繰り返し 自動ハイライトが停止し非常時になるまでの繰り返しの回数。

1~10回の指定が可能です。

4 移動の繰り返し スイッチを押したままにした時に、次の項目に移動・前の項目に移動の操作を繰り返す。

0.03秒~25.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

一旦最小の0.03秒にした後に0.05秒単位に刻むか、最大の25.00秒にした後に0.05秒単位に刻むかにより、0.03, 0.05, 0.08, 0.10, …, という設定が可能です。

長押しの機能と競合しますので、同時には使用しません。

5 長押し スイッチを一定時間押したままにすると、長押しと判断され、別なアクションを割り当てることができる。

0.20秒~8.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

長押しが有効な時、スイッチが押された時にハイライトを一時停止するオプションもあります。

移動の繰り返しの機能と競合しますので、同時には使用しません。


手動ハイライト(項目モード)をスイッチ2つで試す

自動ハイライトは、動きをiPad側に任せるため、使う人は緊張してその動きに合わせることなるので意外とストレスを感じやすいです。そこで、ハイライトも自分で操作する方法を試してみましょう。

スイッチをもう1つ追加し、そのスイッチでハイライトのスキャンを動かす設定を紹介します。

設定を変更する

● スイッチコントロール
> ハイライトのスタイル
を開きます。

● 自動ハイライト から
手動ハイライト
変更します。

2つ目のスイッチを登録する

まず、2つ目のスイッチとiPadを接続します。

スイッチコントロール
> スイッチ

新しいスイッチを追加…

外部
を選択

外部スイッチのアクティベート(使用開始を宣言する)を求められるので、新たに接続したスイッチを1度操作します。

スイッチの名称を登録するダイアログが表示されます。

何も入れなければ薄いグレーで表示されている名称で登録されます。

ここでは名前は入れずに 保存 をタップします。

名前は スイッチ2 になります。

いま設定をしたスイッチのアクションを割り当てる画面が表示されるので、次の項目へ移動 をタップします。

1つ前の画面に戻った表示になります。次の項目へ移動 のアクションが登録されているスイッチが登録されていることを確認し、もう1つ上の階層に戻ります。

スイッチの欄に 2 と表示され、2つのスイッチが登録されたことが確認できます。

以上でスイッチの追加登録は完了です。

スイッチで操作する

1)指伝話RT アプリを立ち上げ、会話セット を選択し、身だしなみ を選択しておきます。

2)スイッチコントロールをオンにします。

手動ハイライト(項目モード)の動き

手動ハイライト(項目モード)は、画面上の項目を示す青い枠(ハイライトカーソル)をスイッ チで動かし、選択したいところでもう一つのスイッチを操作するとその項目をタップしたことになる使い方です。

  1. 最初の項目にカーソルが表示され
    スイッチを押すと、
  2. 次の項目にカーソルが移動し
    スイッチを押すと、
  3. 次の項目にカーソルが移動し
    スイッチを押すと、
  4. 次の項目にカーソルが移動し
    もう一つのスイッチを押すと、
  5. その項目がタップされたことになります。
  6. 指伝話RTの例では、「目薬をさしてください」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変
    わります。(オレンジに変わるの
    は指伝話メモリのカードの作り方
    によります。)

設定を変更し、操作方法を変える

画面上の項目を示す青い枠(ハイライトカーソル)を移動させる度に、スイッチを押すのは大変ですので、スイッチを押したままにした場合は次の項目への移動が繰り返させるように設定することができます。

スイッチコントロール
> 移動の繰り返し

オン
時間を 0.6秒
に設定します。

これによって、0.6秒 以上スイッチを押したままにした場合、次の項目へ移動 の操作をボタンが押されている間繰り返されることになります。


手動ハイライト(項目モード)をスイッチ1つで試す

1つ前の説明では、手動ハイライトのカーソルの移動と項目の選択という2つのアクションを2つのスイッチで行いましたが、1つのスイッチだけで行うことも可能です。

スイッチの押し方を、短押しと長押しで使い分けることで、1つのスイッチで2つのアクションを実行することができます。スイッチは2つ目に設定をした スイッチ2 を使用します。

設定を変更する

スイッチコントロール
> 移動の繰り返し

オフ に戻します。

● 長押し オン
時間
0.6秒
ハイライトを一時停止
オン
に変更します。

● スイッチコントロール
> スイッチ
> スイッチ2
> 長押し

● 項目を選択 を選択します。

スイッチで操作する

1)指伝話RT アプリを立ち上げ、会話セット を選択し、身だしなみ を選択しておきます。

2)スイッチコントロールをオンにします。


手動ハイライト(項目モード)の動き

手動ハイライト(項目モード)は、画面上の項目を示す青い枠(ハイライトカーソル)をスイッチで動かし、選択したいところでスイッチを長押しするとその項目をタップしたことになる使い方です。

  1. 最初の項目にカーソルが表示され、スイッチを押すと、
  2. 次の項目にカーソルが移動し、
    スイッチを押すと、
  3. 次の項目にカーソルが移動し、
    スイッチを押すと、
  4. 次の項目にカーソルが移動し、
    スイッチを長押しすると、
  5. その項目がタップされたことになります。
  6. 指伝話RTの例では、「目薬をさしてください」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変わります。(オレンジに変わるのは指伝話メモリのカードの作り方によります。)

設定を変更し、操作方法を変える

今回の自動タップの設定の場合で、ハイライトメニューを表示させるのが若干難しいです。スイッチの長押しをして項目の選択となった直後に、選んだ項目全体が青く選択されている間に再度長押しをする必要があります。

これを解消するには、自動タップの設定を変更し、2回目の選択を受け付けるまでの時間を長くする(現在 1.8秒 であれば 3.0秒 にするなど)か、長押しの設定を変更し、長押しとして認識されるまでの時間を短くする(現在 0.6秒 であれば 0.3秒 にするなど)といった調整と、操作の慣れが必要になります。

もしくは、タップの動作の 自動タップ をやめて、デフォルト にして必ず選択時にハイライトメニューを表示させるようにするか、または、常にタップ にしてハイライトメニューを明示的に選択できるようにします。

このように、スイッチの数や押し方によって、様々な設定を工夫することができます。ハイライトメニューを使わないのであれば、この問題は悩む必要はありませんが、現在使っていなくても将来的にハイライトメニューを使うようになるのであれば、途中で使い方が変わる時に戸惑わないように考えておきたいです。しかし、身体状況の変化や操作の慣れ、スイッチの変更など、他にも様々な要因が多くあります。設定に身体を合わせるのではなく、身体に合わせたスイッチの設定を行うことを心がけたいものです。


手動ハイライト(項目モード)に関する設定のまとめ

ハイライトのスタイルを 手動ハイライト にした時に関連する設定項目の内容です。

番号 項目 操作
1 自動的に非表示 一定時間操作されない時に、フォーカスが非表示になります。

 1秒~60秒まで、1秒単位で指定します。

2 移動の繰り返し スイッチを押したままにした時に、次の項目に移動・前の項目に移動の操作を繰り返す。

0.03秒~25.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

一旦最小の0.03秒にした後に0.05秒単位に刻むか、最大の25.00秒にした後に0.05秒単位に刻むかにより、0.03, 0.05, 0.08, 0.10, …, という設定が可能です。

長押しの機能と競合しますので、同時に設定する意味がありません。

3 長押し スイッチを一定時間押したままにすると、長押しと判断され、別なアクションを割り当てることができる。

0.20秒~8.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

長押しが有効な時、スイッチが押された時にハイライトを一時停止するオプションもあります。

移動の繰り返しの機能と競合しますので、同時に設定する意味がありません。


単一スイッチステップハイライト(項目モード)を試す

スイッチコントロールの動作で、「移動」と「決定」のうち、「移動」をiOSに任せるのが 自動ハイライト、2つの操作とも自分で行うのが 手動ハイライト でした。「移動」を自分で行い「決定」をiOSと一緒に行うのが 単一スイッチステップハイライト です。

設定を変更する

● スイッチコントロール
> ハイライトのスタイル

単一スイッチステップハイライト
に設定します。

● スイッチコントロール
> 滞留時間

時間を 1.8秒
に設定します。

● スイッチコントロール
> 自動的に非表示

オン
時間を 5秒
に設定します。

● スイッチコントロール
> 移動の繰り返し

オン
時間を 0.8秒
に設定します。

● スイッチコントロール
> 長押し

オフ
に設定します。

● スイッチコントロール
> タップの動作

デフォルト
に設定します。

単一スイッチステップハイライトの時は、タップの動作で 自動タップ は選択できません。

デフォルト は、項目を選択した時にハイライトメニューが表示されます。自動タップ にすると、画面右下にハイライトメニューを表示するためのアイコンが表示されます。

単一スイッチステップハイライト(項目モード)の動き

単一スイッチステップハイライト(項目モード)は、画面上の項目を示す青い枠(ハイライトカーソル)をスイッチで動かし、選択したいところで待ち、カーソルが青くなったところでスイッチを押すとその項目をタップしたことになる使い方です。カーソルが青くなった時にスイッチを押さないで待つと、選択はされません。

  1. 最初の項目にカーソルが表示され、
    スイッチを押すと、
  2. 次の項目にカーソルが移動し、
    スイッチを押すと、
  3. 次の項目にカーソルが移動し、
    スイッチを押すと、
  4. 次の項目にカーソルが移動し、
    そこで待っていると、
  5. 項目が青く表示され、スイッチを押すと、
  6. そこがタップされたことになります。
    指伝話RTの例では、「目薬をさしてくだ
    さい」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変わります。(オレンジに変わるのは指伝話メモリのカードの作り方によります。)

ハイライトカーソルをスイッチで次へ次へと移動させる時に、スイッチを押したままにすると、移動の繰り返しとなります。


単一スイッチステップハイライト(項目モード)に関する設定のまとめ

ハイライトのスタイルを 単一スイッチステップハイライト にした時に関連する設定項目の内容です。

番号 項目 操作
1 滞留時間 項目にカーソルが移ってから、そこが選択可能な状態になるまでの時間を設定します。

 0.20秒~10.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

2 自動的に非表示 一定時間操作されない時に、カーソル表示が消える設定です。

1.00秒~21.00秒まで、1.00秒単位で指定します。

滞留時間より短いにならないように設定してください。

3 移動の繰り返し スイッチを押したままにした時に、次の項目に移動・前の項目に移動の操作を繰り返す。

0.03秒~25.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

一旦最小の0.03秒にした後に0.05秒単位に刻むか、最大の25.00秒にした後に0.05秒単位に刻むかにより、0.03, 0.05, 0.08, 0.10, …, という設定が可能です。

長押しの機能と競合しますので、同時に設定する意味がありません。

4 長押し スイッチを一定時間押したままにすると、長押しと判断され、別なアクションを割り当てることができる。

0.20秒~8.00秒まで、0.05秒単位で指定します。

長押しが有効な時、スイッチが押された時にハイライトを一時停止するオプションもあります。

移動の繰り返しの機能と競合しますので、同時に設定する意味がありません。


項目モード(共通)に関する設定のまとめ

項目モードに関連する設定項目の内容です。

番号 項目 操作
1 タップの動作 項目を選択のアクションを実行した時の動作を設定します。

デフォルト(初期値)
ハイライトメニューを表示する。

自動タップ
ハイライトメニューを表示せず、タップを選択したことにする。ハイライトメニューを表示したい場合は、選択された項目が光っている間に再度スイッチを操作する。メニュー項目が何も設定されていなければ即時タップになる。

常にタップ
ハイライトメニューを表示せず、タップを選択したことにする。ハイライトメニューは、画面右下に現れる黒いアイコンを選択して表示させる。

2 タップしたあとにフォーカスされる項目 項目がタップされた後にスキャンが、どの位置に進むかを設定します。
最初の項目、または、現在の項目
3 効果音 カーソルはハイライトメニューの項目移動、選択の際に音を鳴らす設定です。
4 読み上げ カーソルやハイライトメニューが項目にフォーカスした時に、音声で伝える設定です。
VoiceOverの機能とは異なるものです。
5 項目をグループ化 ハイライト時に、複数項目をまとめてハイライトする設定です。項目単位の移動よりも速く移動できます。
6 大きいカーソルを使用 項目のハイライトの枠線を太くする設定です。

最初は見やすいので大きいカーソルを使用することをお勧めしていますが、お好みで変更してください。

7 カーソルの色 ハイライトの色を指定します。
ブルー、レッド、グリーン、イエロー、オレンジから選びます。
この説明書ではブルーを使いますが、自由に変更してください。

自動ハイライトと手動ハイライト

自動ハイライトと手動ハイライトは、設定によってどちらかに決めて使うのが基本です。ただし、1スイッチであってもハイライトメニューの選択操作ができるのであれば、自動ハイライトと手動ハイライトを切り替えて使用するための設定を行うことができます。

普段は手動ハイライトで操作していて、疲れてきたら自動ハイライトに切り替えるといった使い方も考えられます。

その設定方法については、「指伝話を使って覚える iOS/iPadOS スイッチコントロール 1-2-3! レシピ編」をご参照ください。


ポイントモードを試す

ポイントモードは、画面上に自動的に表示されるグライドカーソルと呼ばれる位置決めのためのラインをスイッチで止めて、縦横それぞれの位置を指定しその位置でアクションの決定をします。UFOキャッチャーと同じ感じというとわかりやすいかもしれません。

ポイントモードでは、グライドカーソルを縦横1回ずつで指定するモード(シングル)の他に、2回ずつ(微調整)、3回ずつ(正確)の設定もあります。微調整や正確は、より細かいポイントを選択して操作することができますが、スイッチを押す回数は増えます。指伝話メモリのカードを選択する程度であれば、シングルが適しています。

設定を変更する

項目モードとポイントモードの切り替えは、設定画面で行うことができません。ハイライトメニューを選択して行います。そこで一旦、そのためのメニュー項目をハイライトメニューに表示する設定をした上で、自動ハイライトモードを使って切り替える手順を説明します。 

● スイッチコントロール
> ハイライトのスタイル

自動ハイライト
に設定します。

● スイッチコントロール
> タップの動作

デフォルト
に設定します。

● スイッチコントロール
> メニュー項目
> 最上位レベル

 カーソルモード
にチェックを入れます。

● スイッチコントロール
> グライドカーソル

選択モードを シングル
速度を 20
に設定します。

スイッチコントロールをオンにし、項目モードでスイッチを操作し、ハイライトメニューを表示し、グライドカーソル を選択し ポイントモード に切り替えます。

スイッチコントロール
> タップの動作

自動タップ
に設定します。

● スイッチコントロール
> メニュー項目
> 最上位レベル

カーソルモード のチェックを外します。

ポイントモードの動き

  1. 横向きに動く青い線が表示され、
    スイッチを押すと線が停止し、
  2. 縦向きに動く青い線が表示され、
    スイッチを押すと線が停止し、
  3. 線が交差した場所にある項目全体が青く反転した後に、
  4. 黒い円が表示され、そこがタップされたことになります。
  5. 指伝話RTの例では、「目薬をさしてください」と合成音声が再生され、その項目がオレンジ色に変わります。そこがタップされたことになります。(オレンジに変わるのは指伝話メモリのカードの作り方によります。)


ポイントモードに関する設定のまとめ

ポイントモード にした時に関連する設定項目の内容です。

番号 項目 操作
1 グライドカーソル シングル
縦横それぞれ1回ずつのスイッチ操作で位置を決定する。

微調整
縦横それぞれ、1度位置を幅をもって決定した後に、その幅の中での位置を決定する。都合、縦横それぞれ2回ずつのスイッチ操作で位置を決定する。

正確
縦横それぞれ、1度位置を幅をもって決定した後に、その幅の中での位置を決定するが、そこでスイッチ操作するとグライドカーソルの移動速度が低速となり、最終的な位置をスイッチ操作で決定する。都合、縦横それぞれ3回ずつのスイッチ操作で位置を決定する。

速度は、グライドカーソルの動く速度で、1~120まで1単位で指定します。1が最低速です。

ポイントモードのシングルについて

iOS 11までは、選択モードは2種類しかなく、現在の シングル の動作はありませんでした。それまでは、画面上の1箇所を選択するのに、最低限4回スイッチを操作する必要がありましたが、シングル が登場したことにより最低2回の操作でよくなりました。

これまで項目モードを使っていた方が、ポイントモードを使うようになったり、併用するケースが多くなりました。特に五十音キーボードから文字を選択する場合、2回のスイッチ操作で1文字を選択できるようになった点は大きな変化でした。

スイッチコントロールを開始した直後の項目モードついて

項目モードの状態であるにもかかわらず、開始直後の表示がポイントモードになってしまっていることがあります。その時は一旦スイッチコントロールをオフにして再びオンにすると項目モードが表示されることがあります。

項目モードにならないアプリについて

項目モードの状態であるにもかかわらず、画面上に項目として認識されるものがないアプリの場合は、自動的にポイントモードになります。また、画面上には項目として見えないのに項目モードのカーソルが表示されるアプリもあります。

これらは開発者(社)によって起こるアプリ固有の問題ですので、仕方がないです。気づいた時に開発者に連絡をし、次のバージョンで対応してもらうことを期待します。

選択した時の黒い円の表示について

ポイントモードを自動タップで使用した時、項目の選択をした時に表示される丸い記号は、色と大きさを変更することができます。もともと自動タップの場合は、選択された場所の項目がカーソルで囲まれて色がつくので十分わかりますが、大きくすることでタップした場所が明確に見えるのが良い時などに使うのも良いと思います。 

タッチ
> AssistiveTouch
> ポインタのスタイル

サイズ
カラー
を変更します。

サイズ最小
カラーオレンジ

サイズ最大
カラーブルー


解説

以上が、スイッチコントロールの基本です。まだ細かな設定がたくさんあり、設定の組み合わせによって動作も使い勝手も大きく異なります。どの設定がベストなのかは、その人の身体の状況にもよります。慣れや体調によって使い勝手の良さも感じ方も変わります。

スイッチの導入に際しては、次の点にもご留意ください。

1.スイッチの種類と設定

適したスイッチの選択は重要です。指先がわずかに動くだけの方に、ある程度の力が必要な押しボタン式のスイッチは適さないかもしれません。ピエゾスイッチや空圧スイッチは、感度の調整や設置場所の調整に気を使います。

例えば、スープを飲む時はお箸ではなくスプーンが適しています。小さなスプーンで少しずつ口に入れた方が飲みやすい人もいますし、少し冷めたスープをストローで飲むことならできる人もいます。蕎麦を食べる時はフォークでは雰囲気がでないと思うかもしれなけどお箸が持ちにくいならフォークはよいチョイスです。雰囲気を大切にして木や竹で作ったフォークなら喜ばれるかもしれません。

スイッチも同様に、機能的な面でなく、使う人の気持ちも考えて、スイッチの選択と設定調整を行うことが大事だと考えています。

2.段階を経て導入

特に画面でタップしてiPadを操作することを知っている場合は、スイッチで操作することにもどかしさを感じるかもしれません。指でタップしていた時のようにテキパキと動かせないイライラが操作間違いを引き起こして余計にイライラしてしまったらもったいないことです。

「LINEで家族と連絡とれるようにしたい」「メールをしたい」「ワードで書きたいことがある」という要望が多くありますが、アプリの操作、文字入力とかなり細かな操作を、初めてスイッチを使う方がいきなり挑戦すると、やっぱりできない!と感じてしまう可能性が高くなってしまいます。

小学校の調理実習の最初はゆで卵でした。多少の卵の大きさの違いはあってもきちんと時間を守れば調理結果はうまくできるからです。同じ卵料理でも、スクランブルエッグやオムレツだってあります。卵は火加減によって硬さも味も変わる難しいものです。いきなり高度な料理に挑戦するのではなく、目標を持って徐々に慣れてもいいと思います。

スイッチも同様に、すべてのiPadの操作はスイッチでできるということを知った上で、まず最初は画面に表示された9枚のカードのうち1つを選んでタップすると音声で伝えるような、シンプルな使い方から始めると良いと思います。

3.焦らず楽観的に

自動ハイライトで動いているカーソルを、望みの場所でスイッチを押して選択するのは意外と難しいものです。初めての人だと、縁日の射的くらい難しいです。

「あー、惜しい」「そこじゃないって」「遅いんだってば」「もうだめねぇ」と横にいる人が思わず言ってしまうことがあります。そんなことは本人が一番よくわかっていることです。横でため息をつかれるだけで気が滅入ってしまいます。

子どもが初めて電気炊飯器でお米を炊いてくれた時に、水加減によって硬めの出来上がりだった時は「この硬さはカレーの時にはいいかもね」と言うし、軟らかめに出来た時は「塩昆布と一緒だと美味しいかもね」と言って、その良さを引き出すのが周りの一言だと思います。

スイッチも同様に、押すタイミングが早い時には「そのタイミングが早く押す時の感じですね」と伝えて、操作感を覚えてもらえるなら、きっとすぐに自在に操れるようになると思います。練習している時は「いい感じですねぇ」「その調子!」と合いの手を上手に入れるように私たちは心がけています。

4.再現しやすい利用環境

この微妙な角度であればスイッチを認識しますね、と専門家に言われても、その後そのスイッチの設定をするのは家族や支援者です。ヘルパーさんも毎日違う人がくるかもしれません。ある脳性麻痺の方が、自分の声で話しができず不随意運動があるのでiPadの画面のタップもできなかったのですが、スイッチを頭で押してiPadを操作していました。しかし新しいヘルパーさんは、そんなことができるとは思わずiPadを彼が使えるように設置しませんでした。設置してくれた他のヘルパーさんもいましたが、Bluetoothの接続がわからず結局使えないまま放置。彼はその間、自分の意思を伝えることもテレビのチャンネルを自分で変えることもできませんでした。

誰でも再現しやすい環境を整えることが大切です。Bluetoothではなく有線の接続であったらできたかもしれませんし、彼がどのように使っているかビデオを撮っておいて初めてのヘルパーさんが見られるようにしておけば、できないという思い込みを捨てて彼に接してくれるかもしれません。

炭火で焼いた焼鳥はとても美味しいです。炭火の準備も鶏肉を切り串に刺すのも、パーティーのためなら時間も手間もかけるのが楽しいですし、多少焦げてしまってもそれは笑いのネタになります。でも毎日の食事となれば話は別です。もちろん、本物の味を楽しんで  もらうことは素晴らしいのですが、準備が大変だからたまにしか食事は作らない、というわけにはいきません。

スイッチも同様に、使う環境を整えるのは簡単であることが大切です。たまに使うものではなく毎日使うものですし、誰が準備しても安定して操作ができる環境を用意しておくことも重要なポイントだと考えています。

スイッチを使うことは目的ではありません。

スイッチでなんでも一人でできるようになったらそれでいい、ということでもありません。

スイッチを導入する過程も大事なコミュニケーションの機会です。

是非、楽しみながら一緒に進めてください。