(2019年4月)

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【はじめに】
画面のタップがうまくできない。そんな時はタッチ調整をすると使いやすくなることがあります。ホーム画面から [設定] アプリを開き、[一般] > [アクセシビリティ] > [タッチ調整] で設定をします。
アクセシビリティのショートカットの設定
アクセシビリティ機能のオン・オフは、設定画面から行うこともできますが、ホームボタンのトリプルクリック(ホームボタンがない機種ではサイドボタンのトリプルクリック)で行うことができます。
[設定] アプリを開き、[一般] > [アクセシビリティ] > [ショートカット] でチェックを入れておきます。ここのチェックが1つだけの場合は、ホームボタンのトリプルクリックでオン・オフが切り替わります。複数項目にチェックがついている場合は、どの項目を切り替えるかメニューが表示されます。
iOS 12からは、コントロールセンターに [アクセシビリティのショートカット] を登録しておくことで、コントロールセンターでオン・オフの切り替えができるようになりました。コントロールセンターの設定は、[設定] アプリ > [コントロールセンター] > [コントロールをカスタマイズ] で [アクセシビリティのショートカット] をコントロールセンターに追加しておきます。
【保持継続時間】
画面をタッチしてからタッチとして認識されるまでの時間の指定をします。
0.05秒単位で最大4秒までの時間を設定できます。
例えば4秒に設定した時は、タップしてから4秒以内に指を離した場合は、その操作はタップとして認識されないようになります。
カーソルの表示
0.30秒以上に設定すると、画面をタップしてからそれがタップと認識されるまでの間、タップしている場所がタイマーのような表示になります。白い部分が満たされるまでに指を離すとタップとみなされなくなります。
スワイプジェスチャ
保持継続時間をオンにすると、画面をスワイプやスクロールする際にも一定時間画面をタップしてからしか動かすことができなくなります。スワイプジェスチャの設定を行うことで、画面のタップを認識するまでの時間とは別に、スワイプジェスチャの扱いを設定することができます。
例えば、保持継続時間を 1秒 に設定している場合、 スワイプジェスチャがオフですと、画面をスワイプやスクロールする場合には、タップして1秒経過してから指を動かす必要があります。
スワイプジェスチャをオンにすると、スワイプやスクロール操作は、保持継続時間の1秒を待たずに行うことができるようになります。保持継続時間が長い場合には、スワイプやスクロールがすぐにできるようになるので便利です。
スワイプジェスチャには、必要な移動距離を設定することができます。スワイプジェスチャが始まる前に指を短く動かすのですが、その指の移動距離を指定します。[標準] から [8x] (8倍)までの設定ができます。この設定を大きくしておくと、少しの指の動きではスワイプジェスチャが始まらなくなります。
【繰り返しを無視】
複数回タッチしても1回のタッチとみなす時間を指定します。
0.05秒単位で最大4秒までの時間を設定できます。
手が震えてタップが何度もされてしまうような時、目的の場所をタップした後に続けて近くを意図せずタップしてしまうような時、この設定で調整すると使いやすくなります。
また、1度タップした後、次のタップまで一定時間はタップを受け付けたくない場合にも、この設定は有効です。
【タップ補助】
タップを確実に画面タップと認識させる設定です。
指定した時間までの間は、画面に触れている指の位置が動いても、最初に画面に触った場所、もしくは、最後に画面から離れた場所をタップした場所として認識するようになります。
スワイプジェスチャは、一定時間同じ場所に留まった後に認識されます。
0.05秒単位で最大4秒までの時間を設定できます。
スワイプジェスチャ
タップ補助をオンにすると、画面をスワイプやスクロールする際にも一定時間画面をタップしてからしか動かすことができなくなります。スワイプジェスチャの設定を行うことで、画面のタップを認識するまでの時間とは別に、スワイプジェスチャの扱いを設定することができます。
例えば、タップ補助を 2秒 に設定している場合、スワイプジェスチャがオフですと、画面をスワイプやスクロールする場合には、タップして2秒経過してから指を動かす必要があります。
スワイプジェスチャをオンにすると、スワイプやスクロール操作は、保持継続時間の2秒を待たずに行うことができるようになります。タップ補助の設定時間が長い場合には、スワイプやスクロールがすぐにできるようになるので便利です。
スワイプジェスチャには、必要な移動距離を設定することができます。スワイプジェスチャが始まる前に指を短く動かすのですが、その指の移動距離を指定します。[標準] から [8x] (8倍)までの設定ができます。この設定を大きくしておくと、少しの指の動きではスワイプジェスチャが始まらなくなります。
【指伝話メモリとタッチ調整】
指伝話メモリで作成したカードを操作する際、カードをタップしようと思ったのに少し長めに押していてスワイプ操作になってしまうことがあります。
画面には押しごたえがないので、押したという感覚がなく、軽く「タップ」するという操作が難しく感じる人もいます。スタイラスペンを使うのも一つの方法です。手の震えがあると、画面を何度もタップしてしまい別な動作になることもあります。普段は手の震えがなくても、軽くタップしようと思って緊張することで手が震えてしまったりすることもあります。
画面をタップしようとしているにも関わらずページがめくられてしまうことが続くと、使うこと自体が嫌になってしまう人もいます。
「指伝話メモリ1-2-3! 表示を変えて使おう編」では、そういう場合に対応した工夫したカードセットの作り方を紹介しています。
iOSのタッチ調整で解決する方法も一つですが、そもそもカードをスワイプできないように作成しておくという考え方もあります。
カバーとボタンを使う
iPadの画面の1箇所をタップしても、押したフィードバックが指に返ってこないので押すのが難しく感じるかもしれません。
この写真は、1画面に指伝話メモリで作成した4枚のカードを表示し、カードの下の隅に物理的な押しボタンをつけています。他の部分は透明なカバーをかけてタップしてもiPadが反応しません。
これであれば、4枚のカードから1枚を選ぶ行為は、4つのボタンから1つを選んで実際に「押す」行為となります。外付けスイッチを接続して使う方法もありますが、選択肢とボタンが同じ場所にあるので直感的に選び易いのが特長です。これは、自動販売機で見本の下に購入ボタンがあるのと同じです。
次の写真は、iPadの画面下の左右の隅に置いたボタンだけで操作する方法です。他の部分は透明カバーをかけていてタップしてもiPadは反応しません。
右のボタンを押すと、画面の中の選択されたオレンジ色の枠が次のカードに移ります。左のボタンを押すと選択されているカードをタップしたことになります。スイッチコントロールを使わずに手動スキャンでカードを選択するような使い方です。このセットもスワイプしない作りになっています。
どちらも、画面の中で押す場所が限定されていることで使いやすくなります。
カードの中身を自由に作れるのが指伝話メモリの特長です。