子どもたちの黄金の脳とICT活用


「黄金の脳」プロジェクト

 指伝話の活動の背景には、一般社団法人結ライフコミュニケーション研究所が中心となって進める「黄金の脳」プロジェクトがあります。頭の中ではさまざまなアイデアがあっても、事故や病気、障害によってそれを伝えられずにいることがあります。もしかすると、世の中のいくつかの問題の解決策は既に見つかっているのかもしれないのに、深海に沈んだ難破船の財宝のように眠ったままになっているかもしれません。この眠れる黄金を取り出して世の中の役立つビジネスに結びつけていくことが、このプロジェクトの目的です。

 2045年には人間の脳の処理速度をコンピュータが追い越し、頭で考えたことが直接コンピュータにつながると言われています。これまでと違った世界が待っていることでしょう。それは素晴らしいことですが、2045年まで待てません。「いま」を生きることも重要です。将来の研究とは別に、いまあるテクノロジー(あるテク)を工夫して組み合わせ、今日の生活に役立てることも必要です。

 これまで自分の思いを伝えられなかった人が話をすることで、これまで相手の思いを汲み取れなかった人との意思の疎通が図れるかもしれません。話をすれば相手のことを理解したくなります。心を開き相手を知れば差別がなくなります。そして、障害は不便なことかもしれないけれど、決して不幸ではない。ICTの力で不便が解消されるなら素晴らしいことだと思います。


ICT活用研修会 内容
事例1: 緊急連絡手段の確保が学習環境へ広がった(先天性ミオパチー)
事例2: アナログとデジタルの共用(コルネリア・デ・ランゲ症候群)
事例3: STとの協働と学校の対応(緘黙)
事例4: 児童本人の意思と学校の対応(脳性麻痺)
事例5: 訪問教員の教材作成(骨形成不全症)
事例6: 生活環境の改善(四肢麻痺)

説明1: iPadで自分の声の代わりに伝える
説明2: 画面タップの代わりにスイッチを使って操作する
説明3: iPadで家電を操作する

よくある質問1:ICTはどうやって導入したらいい?

 単純にお答えするのは難しい質問です。私たちはICTは目的ではなく手段だと考えています。ICT導入を考えた時点で、何故導入したいと考えたか、何をしたいと考えたかがポイントだと思います。場合によっては、無理に機械を使わない方がいい事もありますし機器導入の手順も効果に影響を与えますから、機器を入れればすべてOKということではないと考えています。

 スイッチでiPadを操作する方法は?ということなら、具体的な操作方法がいくつかありますが、それであっても設定一つで使いやすくも使いにくくもなります。

 ICT導入は魔法ではなく、これまで通り状況の見極め、判断が求められることには変わらないと考えています。その上で、みなさんと一緒に導入の方法を考えています。

よくある質問2:指伝話は誰が使うことを想定していますか?

 指伝話にも様々なアプリや機器がありますので一概には言えないのですが、もともと障害・病気の対応のために作ったものではありませんでした。たまたま喉頭癌で声を失ったお医者さんが診療を続けるために指伝話を使ったことがきっかけとなり、失語症、脳神経障害、構音障害、ALSなど様々状態の方に使っていただくようになりました。その過程でより使いやすいように工夫を重ねてきましたが、「○○専用」にはせず、常に自分で工夫することができる「アプリの余白」を残してあります。「使い方はあなた次第」を合言葉に、みなさんのアイデアを詰め込んで使っていただいています。

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