ことばを伝えることができない、まず、その目の前の不便を解消することから指伝話を使った例がありました。

小学校2年生の時に場面緘黙になり、小学3年生の夏からは完全緘黙となって家族とも話しができなくなった子どもがいました。中学に入る時に教育委員会に相談したところ特別支援学級への入学を勧められました。普段は筆談で会話をしていました。
中学でも話しはできなかったけれど、2年生の時に担任の先生が地域の言語聴覚士に相談。指伝話プラスをiPod touchに入れて使ってみることになりました。

担任の先生は積極的でしたが、校長先生は言語聴覚士と担任に対して「あなた方はこの子が自分の声で話すのを諦めるのですか?」と言ったそうです。それに対して言語聴覚士は「そんなことはありません。足を骨折したら松葉杖を使うように、目が悪くなったら眼鏡をかけるように、まずこの子が生活する上での不便を解消する方法を考えることが先ではないでしょうか?」と静かに言い、指伝話の導入が決まりました。

その後担任は、朝礼や授業中、移動教室など、指伝話を積極的に使う機会を用意しました。本人は、すぐに指伝話で話しをするようになった訳ではなく、文字を入力して画面を見せる筆談のような使い方もしていたそうです。それでも担任は焦らず、日常生活で使う場面を用意したそうです。学校祭の演劇では台詞が3つありましたが、指伝話で話しました。

卒業も近くなったある日、突然何事もなかったかのように、5年ぶりに自分の声で話しをしたそうです。周りの友だちは、その子が普段から筆談や指伝話で自分の意思を持って生活していることを知っていたからでしょう。それまでと何も変わらず普通に話していたそうです。

そして、その日で指伝話は卒業。^_^
卒業後は普通高校に進学したそうです。

その後、ご両親から聞いたところによると、指伝話導入時にはご両親も「話すことを諦めさせるのか?」と思っていたそうです。しかし、父親とドライブしている時に、運転中は筆談では会話できないけど指伝話なら会話ができたことなど、コミュニケーションがとれていたことが良かったと、後で思ったそうです。

緘黙は訓練や強制で解消するものではないと思います。指伝話を日常の不便の解消と、コミュニケーションを楽しむきっかけに使ってみてください。

指伝話プラスは、あらかじめ文を登録しておき、タップして合成音声で伝えるアプリです。その場で文字を入力して読み上げることもできます。
声の種類は、日本語は4種類(Sho, Ryo, Sayaka, Haruka)、英語は2種類(Julie, Paul)から選べ、速度や音程を変更して声の調子を変えることができます。他の外国語も20種類以上話せます。
一度ダウンロードしたら、通信環境のない状態でも使うことができます。
日本語は、単語単位ではなく文章で解析して発話していますから、流暢な話し方になります。読み方が違う場合はカタカナで入力をしたり、中黒(・)で区切りを入れるなどしてみてください。

例.「山内さん」は「やまうちさん」と読み上げます。「やまのうちさん」と読ませたい場合は「ヤマノウチさん」と入力するとよいです。

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